男をのせるぶりっ子「さしすせそ」
NHKBSドラマ「団地のふたり」が終了したものの、そのまま毎週録画設定をしていたら次なるドラマ「一橋桐子の犯罪日記」が録画されていた。
タイトルをみただけだと、なんじゃそりゃ?だったのだが、主演:松坂慶子にアンテナがたった。若手の女優ではなく自分よりも年上の女優が主演となるとなにか共感が得られるようなドラマな気がしたのだ。
調べてみると、原作は、原田ひ香『一橋桐子(76)の犯罪日記』。
おお!三千円の使い方の著者の方ではないか。これは面白そう。ということで見始めた。簡単にあらすじをかくと、一緒に住んでいたお友達がなくなり、お金もなくなり、ぼろアパートに引っ越すことに。自分の分身ともいえる友達もなく、金もなく、生きる気力もない。食べていくこともままならない。じゃあ、どうするか?刑務所に入って、三食昼寝付きを狙おう!刑務所に入るなら犯罪を犯そう。けど、どうやって犯罪を起こしたらいいかわからないから、ムショ帰りのパチンコ屋のスタッフ、闇金業者の人などにアドバイスを仰ぎながら犯罪を企てるというもの。
とはいえ、しょせん善良に生きてきたおばちゃんなのでうまくいくわけもなく、周りもいい人ばっかりなので情に流される。
一橋桐子(松坂慶子)のコミカルな動きがかわいくてついつい見ていたのだが、木村多江さん扮する結婚詐欺師から、悪のノウハウを聞き、実際に結婚詐欺に挑戦する一橋桐子。しかし、物おじしてうまくいかない。
すると、生粋の詐欺師(木村多江)はいう。
「男をのせるぶりっ子さしすせそ、知らないの?」
え~知らない知らない!調味料のさしすせそは知っているが、ぶりっこさしすせそなんて聞いたことない!教えて教えてと前のめりになる私。今更使うところもないが。
さ:さすがですぅ~
し:知らなかった~
す:すご~い
せ:センスあるぅ~
そ:そうなんですか~
ちなみに、全部上目遣いでいうのがポイント。
そうなのか・・・だからわたしはもてなかったのか。
さ:さすがと思いつつも、マウントをとるやつには、はぁ?という顔をしていた
し:知らないというのが無知な気がして、知らないと言えなかった
す:すご~いと思いつつも、褒めるのが妙にむかつくので、へぇ~と気がない返事をした
せ:センスがあるのかないのか自分に教養がないからわからなかった
そ:相槌をうつより、それはわたしもこう思います!と自分の意見を言いまくっていた
男から敬遠される要素満載だった20代だったなと改めて自分のかわいくない加減に嫌気がさす。結局、褒めて持ち上げられると人は悪い気はしない。褒めて、褒めて、同調し、そばにぺとっとくっついていればモテてたんだな~と妙に納得。
木村多江さんの演技も最高であった。あっぱれ!
ぶりっことか男にもてたいのもさることながら、日常でも、インタビューでも相手の言葉を否定せずに、まずは最後まで聞くのが人間関係を円滑にするポイントなんだろうなと思った。結果、コミュ力が高い人ということになる。