雪見 潤

大学で薬学を学んだ後、某出版社で科学全般を担当。その後、医療ライターとしての活動を開始。医療や健康に関する情報を分かりやすく、かつ正確に提供することをモットーとしています。

雪見 潤

大学で薬学を学んだ後、某出版社で科学全般を担当。その後、医療ライターとしての活動を開始。医療や健康に関する情報を分かりやすく、かつ正確に提供することをモットーとしています。

最近の記事

「北極星」を見つけ、人生を歩むー『ロングゲーム』書評ー

現代社会において、私たちは常に時間との戦いを強いられている。フルタイムの仕事、家族の世話、そして自己実現の追求。私たちは、目の前の仕事に追われ、長期的な目標や夢を見失いがちである。 しかし、本当に価値のある成功を導くためには、長期的な視野が必要不可欠。ドリー・クラークの著書『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』は、この長期的な視野を持ち、人生の成功を実現するための戦略を提供する。彼女は、私たちが直面する挑戦を認識し、それに対抗するための具体的な

¥300
    • 科学に基づいた効率的な時間の使い方とはー「YOUR TIME」書評ー

      私たちは日々、時間という有限の資源の使い方に悩まされている。「時間がない」「やるべきことに追われる」といった感覚は、多くの人にとってなじみ深いものである。しかし、万人に当てはまる時間管理術はなく、一般的なアドバイスやテクニックが常に有効とは限らない。なぜなら、私たちの時間の使い方は、個々の生活スタイル、価値観、環境に深く根ざしているからである。 本日紹介する『「YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」』は、これ

      • お金の稼ぎ方ではなく、お金との付き合い方を教えてくれる一冊 「サイコロジー・オブ・マネー」書評

        お金に「使われる」奴隷となるか、お金を「使う」主人となるか……。歴史はお金と人間関係の複雑な絡み合いを何度も見せてきた。本書「サイコロジー・オブ・マネー」を読むことで、富に対する考えを一新させることができるだろう。 「サイコロジー・オブ・マネー」は、モーガン・ハウゼルによって書かれた、お金と富に関する心理学を探求する本である。この本は、単にお金を稼ぐ方法や資産を増やすテクニックに焦点を当てるのではなく、お金に対する私たちの考え方、感じ方、そしてそれが私たちの行動や決定にどの

        • 心の声を操り、人生を変える26の鍵ー『Chatter』書評

          我々の未来は「脳内の声」から形作られるーーそれが良いものであろうと悪いものであろうとーー。 頭の中に響く無数の声に振り回される現代人にとって、本書『Chatter: 「頭の中の一人ごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』は、自己対話の力によって、脳内に平穏をもたらすための指南書といえる。 この書籍は、自分の内なる声、特にネガティブな思考パターンに悩まされる人々へ向けた一冊である。私たちは自身の思考とどのように向き合い、それをどのようにコントロールすべきな

        • 「北極星」を見つけ、人生を歩むー『ロングゲーム』書評ー

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          自分の心の脆さに向き合うという事ーー「おとずれナース」書評

          人は誰もが心の傷を抱えている。『おとずれナース』は、まさにその現場からの生の声を届ける漫画だ。 この作品は、精神科訪問看護師の日常をリアルに描き出し、読者に心のケアの重要性を訴えかける。私は現在、医療ライターとして働いているが、「VUCA」の時代と言われる今、特に精神健康の分野において、人々の理解と共感を深めることの重要性を感じている。 『おとずれナース』を読むことで、私は自分自身の経験と精神科看護の現場が重なる部分を見出した。作品は、患者一人ひとりの物語に深く潜り、彼ら

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          犬から学ぶ「無償の愛」ーー「ドベとノラ 犬がくれた優しい世界」書評

          「犬は人の心を映す鏡である」。この一文は、私たちが日々忘れがちな、生きる意味を再発見させてくれる。今回紹介する「ドベとノラ 犬がくれた優しい世界」は、ただのコミックエッセイではない。読む者の心に深く刻まれる、愛と絆の物語である。 私たちは日常の喧騒の中で、本当に大切なものを見失いがちだ。しかし、この本を手に取った瞬間、私の心は静かな湖面のように穏やかになった。著者が綴る、ドベとノラとの生活は、単なるペットとの暮らしを超えていると感じた。 私自身も、若い頃は多くの挑戦と失敗

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          不確実性の波を越えて見つける知の光ー「最強の教養 不確実性超入門」ー

          「最強の教養」を探求する旅は、常に予測不可能な波に揺らぐ航海だ。しかし、「不確実性超入門」はその航海の羅針盤となる。この本は、不確実性という海を航海する勇気と知識を私たちに提供してくれる。 不確実性という言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを抱くだろうか。不安? 恐怖? それとも好奇心? 私にとって、この言葉は長い間、避けがたい存在であり、それを乗り越える方法を模索していた。そんな中で出会ったのが、この「最強の教養 不確実性超入門」であった。 この本を手に取ったきっかけは

          不確実性の波を越えて見つける知の光ー「最強の教養 不確実性超入門」ー