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自分の心の脆さに向き合うという事ーー「おとずれナース」書評

人は誰もが心の傷を抱えている。『おとずれナース』は、まさにその現場からの生の声を届ける漫画だ。

この作品は、精神科訪問看護師の日常をリアルに描き出し、読者に心のケアの重要性を訴えかける。私は現在、医療ライターとして働いているが、「VUCA」の時代と言われる今、特に精神健康の分野において、人々の理解と共感を深めることの重要性を感じている。

『おとずれナース』を読むことで、私は自分自身の経験と精神科看護の現場が重なる部分を見出した。作品は、患者一人ひとりの物語に深く潜り、彼らの苦悩、希望、そして日常の一コマを丁寧に描写する。私が出版社を離れ、フリーランスの道を選んだ際の葛藤や、新たな挑戦への恐怖、そしてそれを乗り越えた時の達成感。これらすべてが、『おとずれナース』の中で生き生きと描かれている患者たちの姿と重なる。

私自身も、フリーライターとしての立場から、より深い医療知識を身につけ、読者に伝えることの重要性を再確認した。

私たちは皆、脆さとともに生きている

『おとずれナース』は、精神科訪問看護の現場からの生の声を通じて、心のケアがいかに人間らしい生活を支えるかを教えてくれる。この作品を読むことで、私たちは誰もが心の中に抱える脆さと向き合い、それを乗り越える勇気をもらえる。私たち自身の経験を通して、他者を理解し、支え合うことの大切さを改めて感じさせてくれる作品である。

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