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拝啓、未だ会ったことのない友人へ#15

今回この記事を書くにあたって、メールを2016年まで遡って開いてみた。

ちなみにわたくし、写真とメールはバックアップを取って長らく保管しおりますのよ。
特に写真はまだ10年前の機種、SHを使っていた頃の写真もあるほど。

そこに映っている若かりし友人を見つけては、本人に写真を送りつけて反応に喜ぶという、趣味の悪い楽しみがありますの、ほほほほほ。

さて、どうやら長野のえむやんという人物と出会ったのは(画面上で)、2016年4月13日らしい。今気づいたが、熊本地震が起きる直前だ。

ちなみに先日の「ブランディングで自分に価値に気づく」という記事で、clubhouseにハマった友人というのは彼のことだ。


出会ったのは、制作した楽曲をDOVA-SYNDROMEというフリーミュージックのサイトにアップロードし始めた頃くらいだったと思う。

動画に曲を使用した場合、作曲者に連絡をするきまりはないのだが、丁寧な文章で一通の使用連絡のメールが届いた。
いま読み返しても、「変わらないなぁ」と思うのは、えむやんという人が誰に対しても丁寧で相手を思いやる言葉で人に接するところだ。

なんてったって、半分は優しさでできている。わたしも最近知った。

メールには本名が書かれていたのでいつもは苗字で呼んでいるのだが、今回は愛称で話を続ける。

「えむやん」、本名とはまったく関係のなさそうな愛称でわたしは未だ戸惑っている。

彼は長野在住の元パイロットで、Youtubeに動画を投稿しており、収益化までしている。すごいとしか言いようがない。しかもパ、パイロット?
今までわたしの周りにはいなかった人種だ。世界は広いな。

DOVA-SYNDROMEにアップロードしている曲の使用連絡は度々いただく。個人の方から誰でも知っている企業の方まで、さまざまな人たちに楽曲を使用していただいている。
フリーとはいえ、本当にありがたいし嬉しい。

そういった連絡をいただいて、雑談をしながら2.3度メールのやりとりが続くがそれっきりということが多い。「また鎌田さんの使いましたよ」ってリピーターの方はいる。

えむやんもそんなリピーターの一人なのだが、いつの間にか地元の写真を送りあったり、元気?みたいなメールのやりとりが続くようになったのだ。
桜が咲いたよとか雪が降ってるよとか、パイロットの仕事の話をしてくれたり。5年間ずっとそんなやりとりだった。

この写真は2016年に実際に送ってきてくれた、安曇野の景色だ。

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もちろん会ったこともないし、声を聞いたこともなかった。

顔は知っている、だってラブラブな奥様とのツーショット写真もバッチリいただいているのだ!ダンディなえむやんに超絶美人な奥様、美男美女だ。

手紙を書いたり、美味しいから食べてね!って物を送り合うことまで。
だから住所も本名も知っている。でも会ったことはない。
なんとも不思議な関係だとわたしは思っている。

ちょうど知り合った頃には一人目を妊娠していたので、子供が生まれた時も報告した。慣れない育児のなか、たまにフリーミュージックに投稿して、そして2人目を出産して、となかなか音楽活動がままならない時にもいつも応援してくれたのがえむやんだった。

そして2016年の夏から毎年欠かさず、長野のシャインマスカットを送ってきてくれる。

わたしはというと何を送ろうかあたふたして、熊本の名物を送っているのだが、このシャインマスカットの美味しさには敵わない。
一粒食べるだけで、とってもしあわせな気持ちになる。

SNSやインターネット上の出会いは、確かに危険なものもある。
わたしもネット上で活動する身として、人とは一定の距離を保ち、プライベートな情報には注意して発信している。
すごく親切で丁寧にやりとりができたからと言って、うかうか本名や住所を教えることもない。

なぜ、えむやんとそんな不思議な関係になれたのかはわからない。
彼が熱心なわたしのファンでいてくれたからかもしれないし、わたしの曲が好きだとストレートに言ってくれた言葉を素直に信じたところもあったのかもしれない。

ちなみにわたしが彼の声を聞いたのはつい最近だ。
clubhouseに誘われて行ったルームで、5年越しにお互いの声を聞いた。

人生って面白い。
絶対に出会わなかったであろうわたしとえむやんが、ネット上で、しかもフリーミュージック経由で出会う。
唯一の接点は、音楽が好きだということ。彼がいたからわたしは頑張れたこともある。

最近ではSNSのメッセージ機能でやりとりをしたり、clubhouseでは話も聞けるしそう遠くない場所に住んでいるような気さえしてくる。

「応援している」と言い続けているえむやんに、わたしもこれからは「応援しているよ」と言いたい。

そして、コロナが収束した時には長野県安曇野市へ感謝の意を込めて、思いっきりハグをしに行くと決めている。


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