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私の好きな料理本 1 「妄想系」

巣ごもり生活中、みんな自分自身や周りの人を、元気づけよう!楽しませよう!とyoutubeやSNSを通じて、いろいろ発信していますね。
◯◯リレーというのもそのひとつ。
先日、私のところに回ってきた「料理リレー」は、料理人や料理研究家が、家にある食材で簡単に作ることができるレシピを無料公開する、というものでした。
こちらでも記事にしたので、ご覧いただいた方もいらっしゃるかと思います。

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そして、次に回ってきたのが「料理本リレー」でした。
これは、料理本に携わっている人が「好きな料理本」を紹介するというもの。好きな本2、3冊と、手前味噌枠として自分が関わった本を、というもので、私もInstagramにアップしました。
これは難しかったあ。好きな本がたくさんありすぎて、選べない!
料理リレーの方がずっと楽(笑)

物心ついた時からの活字好きで、ずっと本は近くにありました。
特に食べ物の出てくる話が大好きでした。
ぐりとぐらのカステラや、赤毛のアンのいちご水、どんな味なんだろう?って想像して、わくわく。

学研の学習と科学という月刊誌を購読していましたが、夏休みなどに、小説ばかりの特別号がありました。その物語のひとつに、『田舎のおばあちゃんが作ってくれる「くるみ醤油のおだんご」』というのが出てくるのですが、これが気になって、気になって。
小説のタイトルは覚えていないのに、くるみ醤油のおだんご、という単語だけは、しっかりと頭にこびりついて。

当時関西に住んでいた私は「くるみ」は知ってはいましたが、あまり身近ではなくて、くるみ醤油味の想像がつかなかったのです。
みたらし団子みたいに甘じょっぱいんだろう、とは思ったものの、いやいや、きりっと醤油味なのかもしれない、すりつぶしたくるみがまぶしてあるのだろうか、それともお団子の中にくるみ餡が入っているのだろうか……。
母に聞いても食べたことがないと言うし、近所の和菓子屋さんにも売ってないし、今のようにインターネットで検索などもできませんから、当時はただ、想像していただけ。でもそれも楽しかった。
(もしこの「くるみ醤油のおだんご」が出てくる物語を知ってる方がいたら、教えてください!)

ちょっと話が横道に逸れましたが、「好きな料理本」にあげた一つが、こういう「どんな味がするんだろう」と妄想(想像?)がふくらんだ本。
「アリスの国の不思議なお料理」(ジョンフィッシャー著、開高道子訳)です。


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ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」に登場する食べ物の部分を抜き出して、そのレシピが紹介されているのですけれど、料理の写真やイラストは全く無くて、みなさんご存知のアリスの挿絵が入ってます。
「豹とフクロウのパイ」とか「擬似亀スープ」とか「かばん語パン」とか、どんな料理なんだろう?って、もう、妄想するしかないわけです。

「甘いおかゆとミンスパイ」なんて、〈スエット(牛の腎臓や腰の脂肪)を細かく刻んだもの〉に青リンゴやレーズンやオレンジやアーモンドにおろし生姜を組み合わせる、て書いてあるんですもん。当時15、6歳の私には、全く想像できず、これはお料理なのか、それともお菓子なのか、と悩みました。

「きちがい帽子屋のドーナツ」やら「チェシャー猫のひげ風チーズ棒」「おしゃれゆで卵」など、簡単で材料が手に入るものは作った覚えがあります。

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ルイス・キャロルの謎かけのような文章も、今、大人になって読むと、また気づくこともあったり。

「ハの字のハムサンド」の王様は、「こっちのヤングのイトハンは、ハの字のお前にホの字だとさ」とか、なぜか関西弁で、訳者のユーモアもあちこちにたっぷり。開高道子さんは、開高健さんのお嬢さん。なるほどなーと納得。

アリス好きな方、写真のないレシピ本が好きという方には、ぜひ手に取ってもらいたい一冊です。

https://www.instagram.com/p/B_PV7ECA_x7/?utm_source=ig_web_copy_link



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