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病気のこと

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20代は闘病に費やした。うつにまつわるあれこれ。
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記事一覧

「あなたの話が聞きたいな」と言ってくれる人に出会う

母を亡くしたこと、うつになったこと。そういう過去のネガティブな経験について、noteに書き留めてきた。 書き出すことにはデトックス効果があったらしい。長い間、澱のように沈んでいたものがなくなって、過去の思い出が澄んだ色合いになったと感じている。 たまに振り返って今までの投稿を読むが、正直なところ大変恥ずかしい。ただの不幸自慢じゃないかと冷ややかな目で見て、削除しようとしたことが何度もある。 けれど、消してしまうと、きっとまた澱が溜まる。過去を見えるところに置いておくことが、

生き方は決めていないが、死に方は決めている

私は、死ぬその時は「"概ね"いい人生だったな」と思って死にたい。どんな生き方をしたとしても、やり残したことや、行けなかった場所など心残りはあるだろう。だから"概ね"だ。 『概ねいい人生』にするために「ありがとう」と「ごめんなさい」はすぐに言おうと決めている。自分のお葬式で「結局お礼を言ってもらえなかったな」「謝ってくれなかったな」と思う参列者が一人もいないのが望ましい。 それから、けんかは今日中に終わらせるよう心がけている。けんかが長引いたまま寝てしまったとして、その後二

わたしはお日様の子

お日様が好きだ。太陽の出ている日はやる気が湧いてくるし、朗らかでいられることが多い。反対に日が出ないと、気持ちは滅入りがちで、ネガティブ思考に傾きやすくなる。 だから私は夏が好きだ。夏は昼間が長いからだ。大阪の夏は殺人的に暑く、寝苦しいし体力を奪われるが、それでも日が長い夏の方が、冬よりずっといい。 逆に日の短い冬至から春分の日までは、忙しくならないように気をつけている。晴れていたとしても活気のある時間が短いと分かっているからだ。活気の出ない気持ちと体で無理に動こうとする

不思議な体験その2・臨死体験

ふと気づくと、見知らぬ場所に立っていた。 左右には見渡す限り一面の花畑。丈の低い、色とりどりの花が延々と続いている。立っているその場所は、花畑の真ん中に通る真っ直ぐな道の上。舗装されていないが、しっかりと踏み固められた道だ。真っ直ぐ前に続いていて、先はT字路になっている。T字路の向こうは森のようだ。 なんだかとっても気分がいい。 暖かく、明るく日が差して、花が小さく揺れている。人の声や車の音はないけれど、不気味な静けさではなくて心が落ち着く。そういえば電線や建物のような

呪いをかけられたことがある

「頑張れ」は呪いかどうか、という作文を書いた。呪いの言葉だと思っていたけど、状況が変わったら違う意味があったよという話。 今日のは違うよ。呪いの言葉でしかないやつ。 言われたのは、母の葬儀の間。言ったのは誰か知らないおばちゃん。親戚か、近所の人か、とにかく私は知らない人。 母を亡くした4人姉妹の長女の私に、そのおばちゃんはこう言った。 「これからは娘であり姉であるだけでなく、妻であり母でありなさい」と。 そうか、母が亡くなるということはそういうことなのか!よし、お母

ビッグかつと静かな冬

ストーブの前に陣取り、食パンの乗った皿を床に置く。 袋を開けて、中からそれを取り出す。 いつものキツネ色。甘じょっぱくて濃い、スパイスの効いた香り。 パンの上にそれを乗せたら、上からマヨネーズを。斜め格子にかけたらなんだかオシャレな気がしてくる。でも、レタスもアボガドも要らない。トーストの上にそれとマヨネーズのジャンクな組み合わせがベスト。 小さくしたままのテレビの音を聞きながら食べる。外を救急車が通り過ぎた。でもいつもより音がしないのは、雪が積もっているから。 ア

生きて幸せになって欲しかった

知人が亡くなった。 特別に親しかった訳ではないが、同じ職場の同僚として、たくさんの仕事のことと少しの仕事以外のことを話し、一緒に笑ったり考えたりした間柄だ。 死因は自殺だった。 昔、何度も自殺をはかった者として、なぜ私は未遂で済み、なぜ知人は死に至ったか、考えずにはいられなかった。 自死を考えるのは、自分に、世間に、未来に絶望している時だ。自死だけがこの苦しみから救ってくれる唯一の方法で、甘い特効薬のようにさえ感じられ、頑ななまでに脳裏から離れなくなる。 治療をすれ

体育会系的闘病記

1回目のゴールは決まらなかった。 準備が足りなかった。ずさん過ぎた。 2回目も衝動的だったけれど、少しは計画的に実行に移した。 でも邪魔が入り、失敗に終わった。 4回目のゴールが決まらなかった後、自分から望んで合宿入りした。 合宿中は面会も禁止、差し入れも禁止。ひたすら練習に集中。 でも、時々ふてくされて練習をサボり、ゴールを決めたがるもんで、さらなる強化練習のため専用ルームに缶詰にされる。 そこは専用なので、いるのは私ひとり。練習に必要なもの以外は何も置かれず