「障害を持ちながら」って言われたくない
私はかれこれ37年ではありますがまぁ生きてきまして、そのうち20年以上を精神障害とともに暮らしています。
自分に発達障害があることが分かったのは20代になってからなのですが、とにかく今は精神と発達の障害がある、という中でなんとか生きています。
その中で「創作する」「表現する」ということは私にとって切っても切り離せない行為で。
今は文章を書くことと絵を描くことだけにとどまっていますが、昔はもっと広くなんでもやっており、写真を撮ったり詩や短歌を詠んだりラジオをしたりとしていました。
私にとって「創作する」「表現する」ことは、水を飲むと同義なのです。
ですが、個人的には私のこういった行為に「障害を持ちながら」という言葉をつけたくはありません。
「障害を持ちながら文章を書いている」「精神と発達の障害を持っているけれど絵を描いている」こんな具合です。
理由はいくつかあるのですが、まず今は多分そうでもなくなってきたのだろうけれど、私が多感だった時代は「障害を持ちながら」とつくクリエイターさんは、なんだか奇をてらったような人が多い印象があったからです。
わざと奇抜な容姿にしてみたり、プロフィール写真も変に「狙った」感じがあったり。
その、感性がビリビリしていた頃の私は「なんか違う」「こうアプローチをかけないと作品を見てもらえないのか」というようなことを思っていた記憶があります。
今はそんなクリエイターさんは見なくなりましたし私も丸くなったのですが…なんか偉そうなことを言ってすみません、そういう自分の背景もあったのです。
あとは単純に「私、として見てもらいたいから」というのが挙げられます。
確かに私はバリバリに精神と発達の障害を持ってはいますが、なんというかそれは「共存しているけれどくっついているだけのもの」感というものがあるというか。まずベースは「私」なのです。
私は割と自分のプロフィール欄にはどこにでも自分の障害を書くことが多いのですが、それは「障害を持っている私を見て欲しい」のでなく、「私のことをいろいろと発信していくとどうしても障害の話題と絡んでくるので、知識として先に提供している」だけなのです。
なのでこのnoteでも私のプロフィールでは障害のことには触れていますが、記事中にはそんなにがっつり障害をテーマにしたものはそれほど書いていないと意識しています。
障害は生活の一部なので、これと言って過剰に触れる必要がないというか。
書きたいなと思ったときに書くというか。
私の生活には障害はくっついて回りますが、ごはんを食べたり家のことをしたり趣味をしたりと他にもいろいろとやってはいるのです。
そんな具合なので、私は「障害を持ちながら」というフレーズを私につけられることをあまり好んではいません。
「障害を持ちながら」と言うとまるで「障害があることは、ものごとに挑むことが困難」前提に聞こえる感じもあまり好きになれません。
確かに想像するにですけれど、健常者と呼ばれる人に比べたら生きることも暮らすことも創作することも大なり小なりの困難があるようにも思います。
でも、その困難がある前提で生きているとそれが当たり前になっているので「まぁこんなもんかな」という感じもなくはないのです。
そして、障害の有無で創作したものの素晴らしさに優劣がつくとも思ってはいません。
気に入ったものは気に入った。あまりそそられなかったものはそんな感じ…みたいなものなんだと思っています。
だから、私が創ったものも「障害を持ちながら」とか関係なく、気に入ってくださった方に響けばいいのだと思っています。
ひと昔前…もっと前でしょうか、とにかく昔は「精神科病棟に入院していた」というテーマで一冊本が出せるくらいのインパクトがある時代もありました(今もそうだったらごめんなさい)。
でも私が思うに今は、なんていうかそう、精神疾患や精神障害はそこまでインパクトのある疾患、障害でもなくなってきたのかなという印象はあります。
変な言い方、誰でもなる可能性があるし、伏せる必要も偏見も昔に比べたら薄くなってきたのかなと。これも違ってたらごめんなさい。
なので、そんな「割と生活の中にただよっている」疾患、障害なのに「障害を持ちながら」とつけるのも違和感だよなぁ…と個人的には思います。
いや、私自身今もしんどいですし、克服はおろか上手に付き合うことも20年経った今でもできていないので「精神障害や精神疾患は共存している分には楽」とも「闘病も意外となんとかなる」とも言うつもりは毛頭ありません。治療と理解がないとやってられないとは思います。
でも、そういうものがあっての自分、自分の暮らしなので、ありのままの私の作品を見てもらいたいなぁ…と思います。
というわけで、これからもなにかしら表現、創作、発信はしていくとは思いますが、ぜひとも「障害がある私」ではなく「個としての私」として創作物に触れていただけたら嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?