神話解体新書 古事記 別天神
原文
天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神訓高下天、云阿麻。下效此、次高御產巢日神、次神產巢日神。此三柱神者、並獨神成坐而、隱身也。
次、國稚如浮脂而久羅下那州多陀用幣流之時流字以上十字以音、如葦牙、因萌騰之物而成神名、宇摩志阿斯訶備比古遲神此神名以音、次天之常立神。訓常云登許、訓立云多知。此二柱神亦、獨神成坐而、隱身也。
上件五柱神者、別天神。
天地の初発の時、高天原になりませる神の名は
天之御中主神。(天は阿麻と読む)
次に高御産巣日神。次に神産巣日神。
この三柱の神はみな独り神成り坐して、身を隠したまいき。
天と地が分かれて、天頂に中心となる星を見つけた。
りゅう座の腹の中にあたる黄極が天之御中主神。
その観測の方法は、水鏡と暗い穴を利用した望遠鏡。
高御産巣日命である。
観測結果を記録する為の道具が神産巣日命である。
神産巣日命は技術を象徴する神となる。
記録の為に麻を裂き、麻糸の束にし、尾のように垂らした。大幣の原形だろう。
また、秘匿の場所で観測は行われた。
阿麻という漢字がそれを示す。
つまり天空を観測する大前提になる。
次に国稚く浮脂のごとくして、久羅下なすただよえる時に葦牙のごと、萌え騰がるものによりて成りませる神の名は、宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじ)
次に天之常立神。(常は登許、立は多知と読む)
宇麻志阿斯訶備比古遅は
宇宙の様子を麻で記す。
阿斯訶備は葦牙であり、葦笛。
また観測場所を分けて、誤測に備える。
うましは美しで、美しい葦笛の音が響きわたる場所。
木霊が返る谷間。反響音。風の音を聞く場所。
谷間の洞窟を指す。
天之常立は、常に聳え立つ場所。
天之登許多知が非常に重要。
大伴家持が越の立山を多知夜麻と記した事がヒントになる。
神々の住む山、多知夜麻。
そこに登る事を許された一族がいた。
立山連峰の、何処か谷間の洞窟で、天体観測を行なっていた一族がいた。
立山は古代天体観測の聖地であった。
合わせて五柱は別天神。
その存在は隠された。