2021年の100冊 #26 「40歳が社長になる日」(岡島悦子)
ベンチャー界のゴッドマザーこと岡島悦子さんの講演がすごく良かったので、著書を購入して読みました。
2021年の100冊、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始。ログはスマホで15分で書き上げることを目標にしています。
2021年3月17日、26冊目はこちら。
ベンチャーでいうと10代、20代、30代の社長も当たり前になっていますが、この本では大企業も40歳が社長になる時代もすぐそこですよ、と言っています。
40歳社長の作り方、なり方
「サクセッションプランニング」という言葉は聞いたことがありますか?私は初めて聞きました。
ビジネスで「サクセッション【succession】=連続、継続」というと、事業の後継者育成、つまり計画的に次世代社長を育てよということです。
大企業でも、入社10年目あたりの30代ですでに勝負は始まっていますよ、始めるべきですよと説いています。具体的にはジョブローテや出向、事業やプロジェクトを通じて修羅場を踏ませる経験を積んでもらうということだそうです。
逆に若手に対しては、チャンスをどんどんつかんで自らこうした経験を積むべきと説いています。
女性のキャリアプラン
面白かったのは、岡島さんの独自の視点と多くの経験に裏打ちされた女性のキャリアプランについての現実的な提案です。
妊娠、出産は現在の医療ではやはり女性の役割。そこでキャリアが一回ストップし、戻ったときに初めて別の部署やマネージャーを経験することになると大変です。
結婚や出産は相手もいることでコントロールできない、とはいえ女性だけ先にマネージャー職を経験させるということも現実的ではありませんが、20代のうちに3種の職種を経験することはコントロールが可能です。
この「前倒しのキャリア」が、スムーズな職場復帰や自己効力感(「自分ならできそう」という未来の自分への期待感)向上など、キャリア開発の面で男女関係なく良い作用を生んでいるそうです。
「多様性」の意義
ただ「女性の管理職を増やす」というのは、多様性への一歩目に過ぎません。
岡島さんによると「多様性」の本質とは、イノベーションを生むことです。多様な人材をそろえることで常識を見直し、非連続な成長につなげることがビジネスにおける多様性の意義です。
気をつけるべきは、単なる属性ではなく視点、経験の多様性であり、また多様な運用で非効率な組織にするのではなく意思決定レベルにおける多様性をもたせることが大事だそうです。
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独自の視点を持った岡島さんだからこその、示唆に富む本でした。ただ、岡島さんご本人を知らずに読んだらどんな感想を持っただろうか、とちょっと考えました。
(noteログ35分)