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【連作短編】はざまの街で #1〜#8(全8話)

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創作大賞2024応募作 疲れた魂が生まれ変わるためにその疲れを癒す「はざまの街」。 ここには疲れを癒す手伝いをする役目を担う人たちがいる。 ここを訪れる人たちを自宅で受け容れる…
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記事一覧

おすすめしていただきました〜【はざまの街で】

創作大賞のファンタジー部門に応募した「はざまの街で」を読んでいただいて、さらに感想を書い…

とーと
4か月前
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「はざまの街で」の感想をいただきました

創作大賞2024に応募した「はざまの街」にsanngoさんから感想文をいただきました。ありがとうご…

とーと
4か月前
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【連作短編】はざまの街で #8最終話 月光山

 その日も晩秋の青空が広がっていた。  窓を開けると澄んだ空気に乗って、細かい音まで街を…

とーと
4か月前
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【連作短編】はざまの街で #7 記憶

 庭の欅の木に残った枯れ葉がもうわずかになった。  雲ひとつない青空だが陽の光は柔らかく…

とーと
4か月前
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【連作短編】はざまの街で #6 きのこ汁

「弟を捜してもらえませんか?」  志郎が庭の欅の落ち葉を掃いていると、背後から女の子の声…

とーと
8か月前
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【連作短編】はざまの街で #5 トマトの冷製スープ

 ジィィィというアブラゼミの鳴き声が庭に響いている。欅の木のどこかに止まっているのだろう…

とーと
9か月前
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【連作短編】はざまの街で #4 海を見下ろす公園で

 サーッと絶え間なく繊細な音を立てながら、絹糸のような雨が降り続いている。  その音に混じって、屋根から落ちる水の玉が、外に置かれた水瓶に落ちて、チャポンチャポンとリズムを刻む。 「梅雨ねぇ」  カウンターの内側で頬杖をつきながら外を眺め、力の抜けた表情で郁美が呟く。  向かい側のカウンター席に座っている来栖は、それには応えずコーヒーのカップを口に運んだ。  ランチタイムが終わり、店内には静けさが戻っていた。 「ねぇ、来栖さん」  外を見たまま郁美が来栖に話しかける。来栖は無

【連作短編】はざまの街で #3 大根の味噌汁

 港からボーゥと太く長い地響きのような汽笛が聞こえる。大きな船が入ったらしい。  志郎は…

とーと
1年前
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【連作短編】はざまの街で #2 玉子スープ

 庭の欅が若葉を芽吹く。若葉は午後の光を浴びて明るい緑色に輝く。  志郎は縁側でいつもの…

とーと
1年前
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【連作短編】はざまの街で #1 クラムチャウダー

【あらすじ】 疲れた魂が生まれ変わるためにその疲れを癒す「はざまの街」。 ここには疲れを癒…

とーと
1年前
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