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なぜいつも同じような人を好きになる?2<親と交際相手に類似点?!>

前回の記事では、G子さんはいつも同じようなモラハラ男を好きになりがち、ということに気が付きました。今回の記事では、G子さんがそうした好みのタイプを持つに至った背景について探ります。

心理学では、私たちがどのような人を好きになり、どのような恋愛関係を育むかは、幼少期の特に親子関係によって大きく影響されると考えられています。そこで、G子さんにご両親との関係について伺ってみました。

「私の両親は教育熱心でした。姉は賢くて要領がよかったので、両親の期待にうまく応えられる優等生タイプでしたが、妹の私はドジでマヌケなところがあって、いつも姉と比較されては叱られてばかりいました。特に父は口が悪く癇癪持ちなので、『バカ!』『どうしてそんなこともできない!』と怒鳴られたり、頭をぶたれたりすることもありました」

とG子さん。そのようにお父様から怒られているとき、どんな気持ちでしたか、と尋ねると、

「私がバカだから苛立たせちゃうんだ、もっとお姉ちゃんみたいにいい子にならなきゃ、と恥じ入るような気持ちでした」

G子さんのように子供の頃に親から罵倒されると、幼い子供は親を批判することができないため「全て自分が悪いんだ」と思ってしまうものです。

さらにG子さんに、恥じ入っているときの身体的感覚も描写してもらいました。

「呼吸が苦しくなって、足先から力が抜けてしまうような感覚です」

とG子さん。次に、現在交際中の彼H男さんからモラハラ発言を受けたときの気持ち、身体感覚について尋ねました。

「不思議とすごく似た感覚です。父と彼が似ているなんて考えたこともなかったですが、すごく似ているかも…」

と複雑そうな面持ちに。

「付き合ったり、将来結婚する相手は、父と違った優しい人を…と思っていたのになぜ…」

G子さんご本人としては、「父と似たタイプの男性なんてお断り」と思っていたのに、実際にこれまで交際してきた相手がどこかお父様に似ていることに気が付き、愕然としたそうです。

心理学では、幼少期に親子の間に発生していたダイナミクスを再現できる相手を交際相手として選びがちである、と言われています。また、異性の親(娘にとっては父、息子にとっては母)は、私たちが接する最初の異性であるため、交際・結婚相手選びの際の規範となりやすいともいわれています。

もちろん家族の関係性によってこうした傾向は左右され、同性の親や祖父母、兄弟が大きく影響することもあるようです。G子さんの場合は、「自分にダメ出しをして叱りつけてくる」という主従関係のようなダイナミクスがお父様との間にあり、それと似たダイナミクスを発生させやすい相手H男さんに惹かれたようです。

不快な想いをするにもかかわらず、なぜG子さんはH男さんのような男性にいつも選んでしまうのでしょうか。次回はそのカラクリをご説明します。

長谷川由紀

☆おことわり☆

本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。
また、本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。

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