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いつまでも、思い出して

「自分で考えて生きよう」松浦弥太郎


先日ある著名な料理家の方が「食べた後もおいしい料理を作りたい」とおっしゃった。その言葉が忘れられない。
たとえば、夜眠る前に「ああ、本当においしかった」と思い、朝起きてもその気持ちがまだ残るような味だろうと想像した。いわば感動をするということだろうとも思った。
食べているときだけがおいしい料理はいくらでもある。あえて書かないが、安くて、早くて、量があるというものだ。それらは味が濃かったり、刺激的であったり、お腹を満たすことを目的とした料理であったりして、食べた後に、じんわりとおいしさが残ることはない。ときたま食べるにはいいのだが、習慣にしてしまうと、本当においしい料理の味を忘れてしまうだろう。
このことは料理のことだけでないと思った。仕事においても、自分が関わった働きが人の心にじんわりと沈み、いくばくかの感動を人に与え、いつまでもその感動が心の底に残るようなものであってほしいと思う。

p78〜79

思い出せるほど心に残ったこと。
そうたくさんはないけれど、でもある。
例えばごはんだと、誕生日に友達と奮発して高いディナーを食べに行ったこと。
雰囲気も最高で、友達と語り合いながら食べたお料理は本当に美味しくて、1年以上前のことだけど、ときどきふっと思い出す。

他にも、誰かかけてくれた言葉や、本で読んだ一節、忘れられない景色、色褪せない感情…
ときどき思い出して、余韻に浸る時間が私はすき。

そういうことを大切にして生きていきたいし、そんな瞬間を与えられるような人でありたいと思う。

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