かたちにすることへの誇り
「勝手に本を作って売っているんです」
「いや、これは仕事というわけじゃありません」
どちらもつい最近「優木ごまヲ」としての活動について質問された時の回答だ。
「どんな活動をされているんですか」
「本を出したり雑貨を売ったりするのが今のお仕事じゃないんですか」
それに対して私は答えた。
勝手にやっている。
仕事じゃない。
この二つの言葉が自分の中から出てきたことについて、少し立ち止まって考える必要性を感じている。
正直なところ、自分の表現活動を批判されることへの恐怖感は常にある。
俳句と短歌の同人誌を作ったのは、権威ある人から作品の価値を認められたり、出版をすすめられたりしたからではない。
「勝手に」という言葉は、特定の結社に所属して勉強している訳ではないという意味も強く含んでいる。
創作活動から得られる収入、といってもわずかなもので、働いていた頃の給与所得には遠く及ばない。
しかし、私の作品に興味をもってくださる方、お金を出して手にとってくださる方、感想を聞かせてくださる方、そして「自分もやってみたいと思い創作を始めました」と言ってくれる方たちがいらっしゃる以上、自分が世の中に送り出したものを卑下してはいけないのではないだろうか。
仕事ではなく、あくまでも趣味の範疇だからこそ気楽にやれている面はあるが、だからといっていい加減なものを作っていいことにはならない。
作るからには良いものを作りたいし、もしそれで気に入ってくれる方がいらっしゃるなら、こんなに喜ばしいことはない。
だから、自分の思いをかたちにできていること自体に、もっと誇りを持ちたい。
そうすれば、私の作品を気に入ってくれる方々を大切にすることにも繋がるだろう。
現在、優木ごまヲとしての活動とは別に、本名で俳句の勉強をしている。
名前を使い分けることについてフェアじゃないと思う方もいらっしゃるかもしれないけれど、私は研鑽を積む自分と、創作活動を楽しむ自分を分けることで、できるだけ長く走り続けていきたい。
そしていつか、より成長した姿(そうありたい)を見ていただきたいと考えている。
創作活動を本格的な仕事の軌道に乗せるのはなかなか難しいことだけれど、それでも、東京を離れ、友人知人の少ない地方都市に住み、感染症の流行でどうしても在宅生活になりがちな身からすると、より多くの方々と関わるための仲介役として作品を表に出し、そしてそれが新たな人の輪を広げてくれるならば、作品が自分に代わって仕事をしてくれているのだと考えてみたい。
勝手にやっている。
仕事じゃない。
これら二つの言葉を発してしまったことを忘れずに、2022年を歩いて行こうと思う。
🍩食べたい‼️