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娘が私のnoteを読んでいた

娘は、この春から東京にある大学に通うため、愛媛の我が家を出て千葉にある私の母の家にいる。

母一人にしている心配と、娘を一人暮らしさせる心配のふたつを解消できて、私としては万々歳。

長いこと、自由気ままな一人暮らしをしてきた母にすれば、ストレスに感じることも当然あろうが、寂しさが減ることと、孫のために動くことが、心身ともにいい影響になると期待している。

もちろん娘も、自分の祖母を助けてくれていることだろう。

つい先日、娘からLINEがきた。

部活の先輩に、同じ四国から来たひとがいるという内容で始まる。

そして、「そっちはどんな感じ?」と。

私は娘にとっては弟である息子の、いろいろ困っていること(主に学校のこと)をLINEで打った。

娘は弟を気遣うように(娘と息子は仲が良い)受け答えをしてくれていたのだけど、母として息子にどうしてやればいいのかわからないという流れから、今の私自身の体の心配を話した。

記事にもしたが、私は先々週乳癌検査を受け、現在結果待ちをしている。
娘には何も言っていなかった。
結果が出てからでいいと思っていた。

だがたぶん、今にして思うと、自分でも不安だったのだろう。

私がもしも癌で、闘病生活を送らなければならなくなったり、場合によっては死んでしまったら。

そうなる前に、息子にとって一番いい方法で、息子のやりたいことのためにも今はがんばらなければならないことに気付いてほしかった。
高校がすべてではないけど、息子のやりたいことのためには、今はどうにかギリギリでもいいから高校を卒業しないと厳しくなると、息子もわかっているのだから。

まだ、悪い検査結果が出たわけでもないのに、考え出すとキリがない。

それで、息子の姉ちゃんである娘に、どこかで頼りたくなったのだと思う。
息子を動かせるとしたら、私よりも、夫よりも、娘だと確信しているから。

経済的にはもちろん夫が頼りだけれど、息子と精神的に支え合えるのは娘だ。

私は、自分に弟がいてくれてよかったと、心の底から思っている。
だから、我が子には絶対兄弟を作ってあげたかった。
そして生まれてきてくれた娘と息子が仲良く育ってくれたことに、心から感謝している。

LINEで状況を説明するのが面倒になった私は、そうか、noteの記事を読んでもらえばいいんだ、と思い立ち、娘に私のnoteを教えた。

はじめ、娘は、検査のことも「それしたのいつ?」と言い、noteを教えると、「結構ちゃんとやってるね!?」などど言っていたが、途中で、

「ごめん、本当は嘘ついてた、母さんのnote、ちょこちょこ見てたんだよね」と言った。

え?どこからバレるの?

実は私が7年くらい前から、時々更新している自分のサイトの存在を、娘は最初の頃から知っているのだが、そこからのリンクでnoteもやっていると知ったらしい。

でも、読んでいることを私に言わなかった。

「ごめんね、勝手に覗いてて」と謝る。

いや、別にネット上にさらしているものなのだから、そんなのはかまわないが。

ということは。

胸のこともすでに知っていて、だから「そっちはどんな感じ?」と聞いてきたのか。

「そう」と娘は答える。

勝手に見ていたという彼女なりの後ろめたさと、もしかしたら、娘の自分が読んでいたら、母さんが気持ちよく投稿できなくなるかもしれないという気遣いなのか、娘は娘でいろいろ考えていてくれたのだろう。

LINE上でがんばって芝居を打っていてくれたわけだ。

小さかった娘はもう私の背も追い越し、私を思いやってくれる娘になっている。

子どもたちは私の知らないうちに成長していて、子どもたち自身も、自分はもう親に口出しされたくない、自分の考えがあるんだという態度で、親の言うことなど聞かないし、その場だけの嘘もつく。

でも親にしたら子どもはまだまだ子どもで、自立するまでは生きていなきゃと思わされる存在だ。

この「親にしたら」の気持ちは、親になったからこそわかるもので、子どもたちに教えてもらったことのひとつ。

そしてそのおかげで、私の母への感謝も大きくなる。

母は離婚したせいもあって、私がまだ子どもの頃から、私相手に職場の愚痴をこぼしたり、困ったときに意見を求めてきたりした。

まあ、少々頼りないところのある母だったのだが、私も今、娘や息子相手に夫への愚痴をこぼし(母としてよくないことと思いつつ)、困ったときには頼っているのである。

でも、親が子どもに頼ることは、そんなに悪いことではないと思っている。

母に頼られて、えー、なんで私がそんなことしなきゃいけないんだよ?と思いつつ、しぶしぶやっていたことも、今になってみればいい経験だった。

たぶん私がいなくても、なんだかんだで娘も息子も乗り切るだろう。

だが、人生いろいろあって、大人になっても時々甘えたくなることがあるということを私は知っている。

そしてその時、私が思い浮かべるのは、あの少々頼りない母なのだ。

娘と息子にとってのそういう存在が、はたして私であるかどうかはわからない。

私でなくてもいいと思う。誰かがいて欲しい。

娘は基本、ひとはひと、自分は自分的な考えがあるようで、周囲の人が何をしているかについて鈍感だ。

けれど、娘は娘の尺度でひとを思いやっているし、家を離れても私のことを気遣ってくれている。
自分の母親のnoteなど、よく見つけて読んでたなと思う。

ちなみに息子はすでに、私のnoteを知っている。
家でPCに向かって投稿しているのも息子は何度も見ている。
けれどおそらく読んでいない。それでいい。

これもいつか娘は読むのだろう。
読んで、「母さんがいなくても大丈夫だよ。甘えさせてくれるひともいるしね!」と思ったとしても、それは私には秘密にしていてくれたまえ。

検査結果を聞きに行き、悪かった場合でも治して私は死なない、と覚悟できるのは、娘のあなたと、あなたの弟のためだから。

なにかと失礼ではあるけれど、夫よ、あなたのためではないのよ。
夫には子どもたちを頼みたいからね。
「大丈夫だよ」と気持ちよく引き受けてくれるよね。


#子どもの成長記録

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枝本 幸
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