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自分を知ること

人は意外と自分のことを知らないものである。特に私はその傾向が強い。趣味や特技を聞かれることが大嫌い、わからないから。好きなものや得意なことを明確に答えられる人に憧れる。
こんなんじゃダメなんだろうな、とうっすら感じていたものの特に行動に移さずにいた。けれど、仕事柄進路に悩む高校生と関わる機会が多いこと(こんな大人がキャリアについてアドバイスらしきものをしていることが笑える)、まさに今読んでいる『LIFE SHIFT』の影響で、さすがにどっしりと腰を据えて自分と向き合わなくてはならない気がしてきた。

そもそも、なぜ自分について知っておく必要があるのか。それは、自分を幸せにするためだと思う。人生に正解がない。自分がどんな状態を幸せと感じるか把握しておかないと、世間の言う「幸せ」を追い求めるだけで、いつまで経っても本当の幸せを得ることはできない。これは大きな話で、もっと実感の湧きやすい話で言うと、ライフスタイルや仕事選びだろう。ライフスタイルであれば、結婚したいのか、子どもはほしいのか、女性であれば子どもを産んでも働き続けたいのか、働くとしてもどの程度仕事にコミットしたいのか….選択肢は無限と思われるほど存在し、正解はない。世間的に「幸せ」とされている道を選ぶのは簡単だが(いや、実はそれも難しいんだけど..)、果てさてそれが自分にとって幸せなのかは自分自身にしかわからない。

ライフスタイルと仕事を分けて書いたが、仕事はライフスタイルの一部だ。まずどんな人生を送りたいかを描き、その生活レベルを担保するための資金を把握し、そこを満たすためのスキルや知識を身に着けなくてはならない。そして、そのスキルや知識に基づいた仕事は、自分が好きで得意であればあるほど、仕事自体や人生そのものの満足度は上がるだろう。はたまた、生活レベルなんて二の次で、この仕事ができるだけで幸せ、という人もいるだろう。その場合であっても、長期的には収入についても考慮に入れないとどんな老後が待ち構えているかわからないが。自分の人生にとって何が大切なのか、優先順位も含めて把握し戦略を立てなければ、自分を幸せにしてあげることはできない。

はあ。なんて難しいんだ人生。

兎にも角にも、幸せになりたいのであれば自分にとっての幸せが何であるのか知っておく必要があるということだ。何となくでもその輪郭がつかめていれば、迷いながらも前に進んでいけると信じたい。その輪郭を掴むために、ちっぽけなところからでも自分を知っていきたい。ワクワクした瞬間、一瞬の胸のときめきを逃さず、見つめること。それらを集めて共通点を探ってみると、何か手がかりが見つかるかもしれない。



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