事業開発の"型"について
こんにちは!ログラスで新規事業責任者兼PMMを務める浅見と申します。
このnoteは「BtoB事業開発アドカレ vol1」の13日目の投稿です。ぜひハッシュタグ「#BtoB事業開発アドカレ」をつけてシェアをお願いします!
本記事の要約(by ChatGPT4)
はじめに
私はこれまでのキャリアの中で新規事業(ここではリリースして3年以内、売上規模が一桁億円くらいのものを指すこととします)、に関わることがとても多かったです。いつの間にかこの道を中心として歩むキャリアになっていましたが、新たな価値を創造し、市場に革新をもたらす過程に深く魅了されています。
そんな中、各人が取り組む中で"新規事業"や”事業開発”という言葉だけが独り歩きをしてしまう場面も一定あるなと感じる場面も少なからずあります。しかし、実際は市場やお客様のニーズに深く根差した戦略的なプロセスであるべきだと考えています。特にBtoBの分野では、市場の変化やお客様の声を紐解いていきながら進めていく必要があります。
私がこのテーマを扱おうと考えた背景は、"事業開発"というフレーズが持つ本当の意味とその実践方法をしっかりと言語化したいと考えたためです。
実態として"事業開発"が採用のためのブランディング等の言葉として先行して使われてしまっていることも多くあると感じているのですが、事業開発自体は企業成長のための重要なプロセスであり、特にBtoB分野においては、非連続な成長を実現するための手法としてその重要性が日々高まっています。
また、事業開発というものはポジションではなくファンクションだと考えており、セールス、カスタマーサクセス、マーケティングに従事している方々にとっても事業開発の視点は求められていると考えています。私の経験上、事業開発の成功は現場の深い理解と、VoCをいかに適切に捉え、向き合っていくことができるか?に大きく依存しています。
本記事を通じて、"事業開発"という言葉に踊らされず、地に足つけてお客様に新しい価値を届けていくための"型"について私見を述べていきます!
事業開発の”型”とは
結論から言うと、事業開発には、大きく分けて2つの"型"が存在します。これはアプローチの方法で分けていけるものであり、考え方の優劣はありません。
トップダウン型
市場分析、業界トレンド、競合他社の動向などを基にした戦略的な計画から始まります。一般的には経営層や戦略チームが主導し、大規模な市場調査やデータ分析に基づく決定を行います。
このアプローチのメリットは、全社的なビジョンや長期的な目標に基づいて事業開発を進めることができる点にあります。しかし、デメリットとしては、仮説が現場の実情と乖離している場合がある点が挙げられます。
ボトムアップ型
一方、ボトムアップ型では、現場のスタッフやお客様の声からアイデアを拾い上げ、それをもとに新しい事業や製品、サービスを開発します。この方法では、お客様のニーズや現場の問題点に密接に焦点を当て、そこから革新的な解決策を導き出します。
メリットは、市場やお客様の要求に直接応えることになるため、迅速に立ち上げに進めることができる点です。ただし、デメリットとしては、全社的な戦略との整合性を取ることが難しい場合があることや、細かなニーズを拾ってしまう場合、スケールの観点で限界が生じる可能性があります。
繰り返しですがどちらの型にも優劣はなく、双方からアプローチをかけていけるようにすることが理想と考えています。
一般的な事業開発の理解としてはトップダウン型のイメージが強いのではないかと思いますが、一方で私自身の経験では、ボトムアップ型の事業開発に関与することが多く、お客様の課題を解決する形で事業をつくるBtoBにおいても相性がいいと感じています。
”ボトムアップ型”事業開発の事例
私が関わったボトムアップ型事業開発の1つの事例を紹介します。
所属するログラスのソリューションは経営管理業務を主なターゲットとしており、主に経営企画の担当者が使用するプロダクトとして展開していました。しかし、お客様との会話を通じて、経営企画以外の部門、特にシステム部門にも、特定のデータ管理や投資管理に関する顕著なニーズがあることが明らかになりました。
特に、システム部門の方々からは、IT投資に関わる管理が煩雑であり、このプロセスを効率化するための解決策を求めていました。これを受けて、私たちは既存のソリューションを基軸に、IT投資管理を容易にする新しいモジュールの開発に取り組みました。このアプローチはとても有効で、結果的にお客様にも大きな価値を感じていただき、複数の事例が生まれる成果を出すことができました。
"ボトムアップ型事業開発"の進め方
せっかくなので、ボトムアップ型事業開発をどのように進めていったかもまとめていきます。社内ドキュメントをリバイスしており、端的な書き方ですがその分赤裸々ですのでぜひ参考になれば!
Step1:発見
新たな活用ユースケースを発見する
セールスやカスタマーサクセスの活動をしていく中で、想定と異なるユーザーが製品を活用していただけたり、想定と異なるユースケースで活用したい場面に出会う
例:前述のIT投資管理のケースがまさに該当するユースケース
上記のユースケースを抽象化して捉えた時に、一定のマーケットがありそうか?、同じような事例がないか?ということをいくつか調査をしてみる
ここで調査をしてみると、実は過去のお客様でも近しい活用をしているケースが発見されることがあり、そうなった場合は一定のマーケットが存在している可能性がある
Step2:検証
発見されたユースケースが、実際にバーニングニーズとして存在しているか?お客様はそこへの投資を検討してくれるのか?というのを検証する
検証場面としては新規商談、既存のお客様ヒアリング、展示会などが適切
対象はまずはインダストリーや企業規模、部門でカットしていくのがおすすめです
Step3:価値仮説の定義
検証していく中でお客様の好感触を得られたら、そのファクトをチーム内で1つのシートに収集していく
ファクトをもとに、以下の点をまとめて事業計画の素地をつくる
STP
初期のコアターゲットは誰か?(初期はセグメンテーション=ターゲティングでもよい)
コアターゲットのペインポイント、バリューポイントはなにか?
上記コアターゲットで算出されるTAM/SAMはどれくらいか?
競合ソリューションはなにか?
競合ソリューションとの差別化ポイントはなにか?
OKR
目的:全社戦略とアラインさせるための指標
上記の事業ポテンシャルをイメージしたときの、1年後の理想状態はなにか?
それらをなにで計測するか?(ARR以外も含む)
上記の達成に必要なアクションプランはなにか?
プロダクトの追加開発が必要な場合、なにが必要か?その優先順位はなにか?
最終的にはポータルページにまとめ、社員に価値仮説を説明できるようにしておく
ログラス社の場合はNotionにまとめていました
ポイント
ボトムアップ型としては上記を実行・検証していくことで事業の種を見つけていくことが可能だが、前提としてお客様のユースケース理解(どんな目的でやろうとしているのか)がないと上記Stepを進めていくことは困難
そのため、この活動の再現性を高めようと思った場合は、一定以上のコミット(自分でオーナーシップをもって行う前提)でセールスやカスタマーサクセスに活動をしてもらうことが必要
事業開発は、単に新しい製品やサービスを市場に投入することだけではありません。お客様のニーズを深く理解し、その声を事業の成長に直接結びつけることそのものが、真の事業開発ではないかと思います。
そのため、事業開発はセールスやカスタマーサクセス、マーケティングの各職種に従事している方々も重要な役割を担っています。
この内容が少しでも参考になり、自分の目の前にある多くの可能性にわくわくしながら、新たな価値を届けるような活動に繋がっていければ幸いです。
おわりに:一緒に事業開発やりましょう!
そんなわけで、ログラスはたくさんの事業開発にトライしています!
事業開発経験問わず、一緒にセールス・カスタマーサクセスと幅広くビジネス推進を担っていただける方を募集させていただいています!
ミッションへの共感はもちろん、何か大きなことを成し遂げたい!そのためのキャリアを歩んでいきたい!と考えている方の募集を熱狂的にお待ちしております!(待つだけでなく、僕らからお声がけもします!)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして少し早いですが2023年大変お世話になりました!よいお年を!!