見出し画像

【好きな食】牛乳寒天

 最近牛乳寒天にハマっている。
 それというのも、セブンイレブンの「白バラ牛乳使用みかんの牛乳寒天」が美味しかったせいだ。普段あまり寒天ものは食べないのだけれど、あれは硬すぎず柔らかすぎず絶妙な食感で、ついつい見かけると買ってしまっていた。
 だがしかし、コンビニスイーツとは往々にして割高なものである。クオリティが高いものにお金を払うのが惜しい訳ではないが、そう度々買っているとエンゲル係数が洒落にならないことになる。

 という訳で、自分で作ることにした。
 寒天とは食感が異なるが、丁度残っているアガーの消費もできて一石二鳥だ。
 作り方は至極簡単である。(下記の分量はあくまで私好みの甘さと食感に仕上げるものなので、お好みで調整いただきたい)

材料(牛乳1000ml分):
・砂糖  50g(牛乳の5%)※甘さ控えめの分量
・アガー 30g(牛乳の3%)※硬めに仕上がる分量
・牛乳  1000ml(成分無調整・低温殺菌のものが美味しいのでおすすめ)

①水気のない鍋の中に砂糖とアガーを計り入れ、よく混ぜる。
②①の鍋に牛乳を入れ、耐熱のシリコンへらでよく混ぜる(まだ火にはかけない)。
③ある程度砂糖とアガーが馴染んだら中火にかけ、シリコンへらで絶えずかき混ぜながら加熱する。
④アガーが溶けたら火から下ろし、型に流し入れる。
⑤あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

 しかし、簡単な中にもコツはいくつかある。
 この工程で、というかアガーを使う時に一番重要なポイントは上記の①、つまり「液体と混ぜる前にアガーと砂糖と混ぜておく」ことだと思う。寒天やゼラチンは水でふやかして使うことが多いが、アガーをいきなり液体に溶かそうとするとダマになりやすいため、あらかじめ砂糖と混ぜておいた方が良いのだ。(余談だが、凝固剤ではないが同じくダマになりやすい抹茶も、砂糖と混ぜてから少量ずつ液体を加えて練るように伸ばしていくと、滑らかに溶かすことができる。抹茶は水相手ならまだしも油脂を含んだ牛乳相手だと更にダマになりやすいので、加糖の抹茶ラテを作る時などにおすすめのやり方だ)

 次に、火にかけている間は常にかき混ぜ続けること。状態を均一に保つためというのももちろんだが、水などで薄めていない牛乳は案外焦げつきやすい。シリコンへらで鍋底や壁面をこするようにして混ぜると良い。
 そうして混ぜていると、鍋底をこする感触が次第に変わってくる。「スルスル、サラサラ」という感じだったのが、鍋とへらの間に一枚膜でも張ったように「つるつる、ぬるぬる」とした感じになってくる。これがアガーの溶け始めた合図だ。膜をこそげて剥がすようなイメージで、鍋底と壁面を満遍なくこすりながら、更に混ぜ続ける。その辺で、シリコンへらを持ち上げてみる。
 最初、まだアガーが溶けていない時は、シリコンへらの表面を牛乳がすべって弾き、まだらになっていたはずだ。それがアガーが溶けると、へらの表面を均一な薄い牛乳の膜が覆うようになる。それを指でなぞってみて、指の跡が消えなかったら(指でなぞったところが固まってめくれたら)アガーはちゃんと溶けている。それが確認できたら火を止めて、水でさっと濡らしておいた容器へ流し入れる(容器を水で濡らしておくと、食べる時にも容器を洗う時にもスルッと剥がれてとても楽なのだ)。

(↑まだアガーが溶けていない状態)

(↑アガーが溶けた状態)

 なお、牛乳は沸騰させると変質するので、沸騰させないよう注意。
 ちなみに、アガーがしっかり溶けていたら必要ないかもしれないが、私は万が一ダマになっていた時のために必ず一度こしてから型に流している。こす道具は茶漉しなどでもいいが、私はこれ(下写真)を使っている。

 これは去年かっぱ橋のセールで買ったもので、本来はプリンや茶碗蒸しを作る際に卵のダマを除くためのものだが、牛乳寒天作りでも地味に大活躍してくれている。私の手持ちの鍋には注ぎ口がついていないものが多い+あったとしても牛乳1リットルも入れると重すぎて片手では注げないので、一度これに移し、濾しながら注ぐと、実にスムーズなのだ。牛乳を加熱すると多かれ少なかれ発生する泡も、こすことで大部分取り除くことができるので、ダマがなくとも使うメリットはある。更に、この注ぎ口が実によくできていて、まったくと言っていいほど液が垂れない。名ばかりでダバダバ垂れる注ぎ口というのも世の中には存在するが、これは本当にキリッと液が切れて気持ちがいい。
 しかし液を入れたところは撮り忘れていたので、これは洗った後の写真である。痛恨。
 それでも表面に残った泡は、気になるようならスプーンで取り除くか、食品にも使えるアルコールスプレー(私は「パストリーゼ」を愛用している)をひと吹きすればほぼ消える。
 ちなみに、砂糖の量が少ないからか、それとも私が牛乳を温め過ぎているのか、何回やっても冷やす過程で表面に牛乳の膜が張る。味には然程影響はないが、私はあの膜の口当たりがあまり好きではないので、あら熱が取れたか取れないかくらいで容器にラップをかけてしまう(もちろん蓋でもいい)。もしその時点で既に膜が張っていたら、スプーンでチョイチョイと集めて取り除くか、底に沈めて誤魔化す(笑)。こうすると表面が乾燥しないので、膜ができるのを防げる。

(ラップをしたところ。牛乳が生成色なのはきび砂糖を使ったため。オレンジ色は缶詰のみかん)

 まとめると、アガーで牛乳寒天を作る時の注意点は以下の○点。
・最初に砂糖とアガーをよく混ぜておく
・火にかける前にある程度砂糖とアガー、牛乳を混ぜて馴染ませておく
・火にかけている間は絶えずかき混ぜる
・牛乳は沸騰させない

 私は1リットル分まとめて作っているので少し時間がかかっているが、牛乳の量を減らせば実働時間15分足らずで出来上がるローカロリーかつ安上がりな冷菓、気軽なおやつやデザートにいかがだろうか。
(ちなみに今回は更なるローカロリー&節約のために低脂肪牛乳を使ってみたのだけれど、味も薄ければ甘さも控えめすぎて(砂糖が5%で足りるのは乳糖のおかげもあるのかもしれない)物足りなかったので、やっぱり多少お高くても成分無調整の低温殺菌牛乳が一番風味もこくもあって美味しいと思う)

 久しぶりに好きなものの話ができて楽しかった。
 それではまた明日!