マスクのある生活
私はマスク、いわゆる顔パック(以下、マスク)というものがあまり好きではない。この楽しそうにパックしている人たちのイラストを借りていながら何を言い出すのかと思われるかもしれない。
でも、これまで使い切れた試しがないのだ。肌荒れが酷くなってはじめて購入することが多いマスクだが、顔に貼り付けたまま何分間もぼーっとすることがなかなか出来ない。
そんな私に転機が訪れた(大袈裟)。
家の中に最近旦那さんが買って置いていった女性用「夜マスク」の大袋が落ちていた。
それは旦那さんがマスクといふものをしてみたいと言うので、ロフトで買ったものだ。久々にしげしげと見た女性用マスクの陳列棚は、朝用とか夜用とかビタミン入りとか、何やら、かしましかった。こんなにも需要があるのか、マスクをつけてぼーっとする時間が持てたら私の生活は変わるのだろうかと想像した。
話を元に戻そう。
その日の夜は何度も観たことのあるドラマをバックミュージック代わりに付けていて、ソファにくたんと伸びていた。
あ、これ今ぼーっとしてるんじゃない?
と思うと、逆説的ではあるがぼーっとしている時にマスクを付けたらいいのでは、と思ったのだ。ずっと張り詰めている訳ではないのだから、さっさと風呂に入りぼーっとする時間をつくり、その時にマスクを付ければ生活が少しだけ豊かになるのではないかと期待した。
案の定、私はマスクを10分間くらい顔に貼り付けたままの状態を保つことが出来た。ほとんどマスクを意識せずただひたすらぼーっとドラマを観た。
その間マスクはしっかり仕事をしてザラザラ肌をしっとりさせてくれた。有難い。
いつもと違う時間の使い方という、凄く有意義な時間を作れたことを誇りに思う(再び大袈裟)。