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僕はLGBTのTであるトランスジェンダー。生まれた時は女。今は戸籍を男に変えて生きている。鈴木優希42歳。

仕事は地元名古屋の繁華街、錦三丁目でLGBT。主に僕と同じFTMを雇用したBARの経営をして16年になる。

僕のこれまで

幼い時から、男の気持ちだった。好きになるのは女の子。着たい服は男モノ。
でも周りから見たらであり、「えりちゃん」だった。

自分以外にこの事に気付いている人は居ない。ボーイッシュだとは言われていたが、まさか戸籍まで変えて性別をトランスすることになるなんて誰も思わなかっただろう。
そんなこんなで、苦悩した思春期。
それから、大きな壁であったカミングアウト。仕事も、紆余曲折しながらなんとか自分らしく生きれる場所を見つけた。

からだ

カミングアウトしてから治療を始めた。ホルモン治療、子宮卵巣摘出や胸の手術を繰り返してやっと男の戸籍を手に入れた。
更年期障害、多血症といった副作用にもいまだに苦しめられているが、名古屋大学付属病院という恵まれた施設で治療を受けられている。

仕事と活動

仕事面でも、9月に系列店舗のオープンを控えている。
日曜祝日も営業する、低価格な「飲み放題」の店。コンセプトは「大人の喫茶店」
高級店が多い錦というエリアであえて、気軽に来ていただける価格帯で勝負する店。
ただ、お酒をはじめとした様々な仕入れ値の高騰が止まらない「今」
まだまだ人の出が戻らない夜の街。
この形態は賭けに近い。現に、無謀だと大反対の声を浴びている。
でも僕はやる。
やった者にしかわからない「学び」があることを知っているから。
そして、周りの批判的な声に耳を傾ける一方で、意外と全然諦めていない自分が居る。
やってみなければわからない!(笑)

恋愛・結婚

カミングアウト後は恋愛に依存した。それまでまともな恋愛をしてこなかった僕。映画や少女漫画に出てくるような恋は夢だったし強い憧れでもあった。その反動から、僕は欲に任せて、歯止めがきかない時期を長く過ごした。
「彼女」「僕の事を男として見て好きな人」が一人じゃなく、沢山居て欲しい。しかも、そこら辺の男が連れているのに負けていない美人が良い。人の評価、見た目にこだわる恋愛だった。
いろんな人と激しすぎる恋をした。
でも幸せだったなぁ。と今も記憶を思い出せるのは3人ほどかな。

治療を始めた僕は「結婚」というものを意識した。

憧れていたけど、出来ないと諦めていたもの。それが「結婚」だった。

その時に将来を考えられる彼女がいた僕はプロポーズをして、結婚。結婚式、披露宴もやりたかったド派手婚をあげた。幸せの絶頂だった。
しかし、また僕の悪い癖がでる。あこがれだけの結婚生活が日々に暮らしとなり、すっかり刺激が無くなった僕は浮気に走り家庭を顧みないように。そして離婚。
今に至る。

性同一性障害で生まれてこれまでの42年間の人生。
もちろん性別違和による、どうすることも出来ない悩みも多かったが、家族や友達、周りの人たちの協力のおかげで「越え」ることが出来た。

その経験から、LGBTの社会人交流会「BRUSH UP」ブラッシュアップの活動も始めた。

年も年なので、自分の経験からのアドバイスなんかをさせてもらう機会が多くなって、これからは僕が与える側なんだと、世の中を知った気でいた。

いや、まだまだ!

先日、引っ越しをした。これまでも実家を出て暮らしていたけど、その時の彼女や元奥さんに家の事一切をしてもらっていたため、実質初めての一人暮らしとなる。

ガスの回線に立ち合いがいる事。つっぱり棒が意外とめんどくさい事。カーテンや家具の計測はきちんとしないと後で大変な事。

サランラップはケチったらダメだってこと(笑)

性別の悩みも峠を越えて、落ち着いた毎日に人生をなんだか知った気でいたけど、まだまだ知らないことだらけだった。

引っ越し作業からの新生活は、いい年をして失敗ばかり。

自己嫌悪の毎日だけど、この経験が出来たことでまた人に感謝。

そして何より、自分の新たな一面に気付く日々。中々、心地よい。

初体験は僕にまた新しい世界を見せてくれた。

人生の修行に終わりはない。

経験は宝物。

仕事もプライベートも、

やりたいことはやってみよう!行動あるのみ!

その気持ちの大切さを今また感じている。

2022.7.19(火)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第10回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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