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かっこいいオヤジになりたい。

僕はLGBT。女から男に戸籍を変えて生きているトランスジェンダー鈴木優希。42歳。仕事は地元名古屋で同じFTM・LGBTQを雇用した飲み屋を経営している。

傍から見たら落ち着いていないと恥ずかしい年齢だが、

僕は今初めて自分で自分の世話をしている。
洗濯、ご飯、掃除、仕事の準備などなど、生きるって大変だとこの歳で実感する毎日。

自分だけは特別

何も根拠はないけれど、これまでずっとそんな風に思っていた。
バチが当たるとか、因果応報とか、そんなものも他人事で信じてもいなかった。

グレて高校中退、暴力をふるったり、家出を繰り返したり、好き勝手して親を泣かせた。
女の子に対しても浮気、裏切りを繰り返す。
スタッフに対しても駒の様に使い捨ててきた時期もある。

でもそんなことをしていても誰かが居てくれた。
それに甘えていたし幸せを感じていた。
尽くすより尽くされた方が良い。
自分の「得」しか考えていなかった。その大元に、誰かの涙があっても。

人生は帳尻が合う

今、僕はひとりで暮らしている。
自分でそれまで彼女と暮らしていた家を出た。
誰にも求められてもないのに、寂しがり屋の僕がこんなことをこの歳で選ぶとは思わなかった。自分でも驚いている。

でもそんな気持ちになった。

そのおかげで日々学びの連続。生きるという事を。
今まで誰かがしてくれていた事のありがたさに気付く。
ひとりの時間があるから、考えられることもあるし、誰かといる時の楽しさも倍になる。

スタッフに対しても、ワンマンでジャイアンみたいな経営者をしていたが..しっかりと形を変えて返ってきている。

裏切られること。勝手をされること。離れていくこと。孤独なこと。

でもそこから学んだ。

期待をしないこと。でも大切に思い続けること。守ること。与え続けること。

辛い事や試練がある度に、もっと器のでかい人間になりたい。
そういう大きくて難しい目標をもらった。

昔の人の言葉の意味

若いうちの苦労は買ってでもしろ。
親孝行したい時に親はなし。
バチが当たる。 

などなど、歳を重ねるごとに昔の人の言葉の意味を「こういうことだったのか」と思う時が増えた。

自分が「経験」することで大切なものが見えてくる。
この歳になると初めての事ってどんどんなくなっていくものだと思うけれど、良いのか悪いのか..僕は未熟な分、今も初めてが沢山ある。

いい年して何やってるんだろうと凹む事もあるけれど、まだまだ伸びしろがあるぞ!!頑張れ自分!と励ます。(笑)

カッコイイ大人になる為に

若い頃は着る服や持ち物で何とか出来たけど、歳を重ねると「生き様は顔に出る」らしい。
カッコイイ大人になる為には、上っ面ではダメ、取り繕っても透けて見える。ここからは本当の人間力が試される。

難しくて、心が折れそうになるけど、人に優しく自分に厳しく、笑顔が素敵な、そんなオヤジになりたい。

2022.7.19(火)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第10回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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鈴木優希のセミナー活動関連のお知らせ、性同一性障害のお子様を持つ親御さんへのメッセージなどLGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトもご覧いただけたら嬉しいです。そしてコメントもお気軽にお待ちしています。


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