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緊急事態宣言期間突入直前、心を癒してくれたのは

先日、日本フィルの公開リハーサルを
荻窪の杉並公会堂に
見にいったことを書きましたが、
その本公演が
4月23日・24日にサントリーホールで
行われました。

先日公開リハを見学した時に、
わたしは指揮者のラザレフ氏は
リハーサルのために
ある程度早くに来日されたと思っていたのですが、
実は彼は5日に来日してから
14日間の隔離期間があったのだそうです。

つまり、本公演までにオーケストラが
指揮者とリハーサルできた期間は
ほんのわずか。

だからこそ、あの公開リハの際に
ラザレフさんは
あんなにも丁寧に指導されていたのですね。

今回のコンサートは
指揮者の来日、練習期間だけでなく、
選曲にもコロナが影響していました。

当初はショスタコービチの
「ステパン・ラージンの処刑」
を予定していたものの、
密を避けられない編成であるため、
今回の公演では
グラズノフの交響曲第7番「田園」と
ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」
が演奏されることになったのだそうです。

ラザレフ氏は朝日新聞のインタビューで
(4月21日付朝日新聞デジタル)
こんな風に語っておられます。

「濃密な体験を約束するので、
今は健康を守ってほしい。

この非常に困難な1年で、
私たちはかつてない経験値を積み上げ、
人々を思いやる心を持つようになり、
より賢くなり、
そして、きっとこれまでより強くなった。

私はそう信じます」

わたしはホールにはいかなかったものの、
昨日24日の昼公演を
配信ライブで見ることができました。

舞台に現れた時のラザレフ氏が嬉しそうで
お客様に「ようこそ!」というように
笑顔を向けているのが印象的でした。

配信で見られたので
そのような指揮者や楽団員さんの
表情もはっきり見えました。

もちろん、音質は最高✨ 
(ど素人が偉そうに、ごめんなさい)

ホールで見る生の演奏とは違っても、
舞台の上に立っているように
指揮者や演奏者の表情まで見ながら
最高の音楽を楽しめる。

配信ライブ、すごいことだと
改めて思いました。

わたしが公開リハを見学した
グラズノフの交響曲第7番「田園」を
リハの細切れ状態ではなくて
完成形を聞いて、あらめて感激。

鳥が歌って小川が流れる、
美しい田園風景が見えるようでした。

演奏をしている楽団員に
「そうそう、いいよ!」
というようにラザレフ氏が
親指を立てて見せることもあり、
先日のリハーサル風景が頭に浮かびました。

そして、
ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」
(1947年版)。

実はストラヴィンスキー曲は著作権等の問題で
公演の配信のハードルが非常に高かったそうです。

でも、
「ラザレフが来るのに配信なしはないだろう!
との関係各位のお力添えで急遽配信決定」
したのだとか。

軽い足取りで舞台に現れたラザレフ氏は
指揮台に乗って観客に一礼し、
くるっとオーケストラの方を向いて
すぐに指揮を始めました。

キラキラと音が輝くような
軽快なペトルーシュカ!

本当に素晴らしかったなあ。

演奏の後は拍手が鳴り止まず、
お客さんの感動や
ホールで生の素晴らしい演奏を楽しんだ喜び、
ラザレフ氏やオーケストラの皆さんの
演奏する喜びも伝わってくるような
素晴らしいコンサートでした。

リハーサルでもコンサートでも
ラザレフ氏の日本フィルに対する愛情も
伝わってきて、胸が熱くなりました。

アンコールに応えて
ステージの端から端まで歩き、
オーケストラをたたえ
観客にもオーケストラへの拍手を促すラザレフ氏。

彼がオーケストラの楽団員の皆さんからも
愛され、尊敬されていることが
じわじわと伝わってきました。

楽団員が引っ込んでからも鳴り止まない
観客の拍手に答えて
舞台に帰ってきてくれたラザレフ氏が
チャーミングで、愛情深い方だと
伝わってきました。

それにしても、あと1日ずれていたら、
昨日の生ライブ配信も
見られなかったかもしれません。

緊急事態宣言期間突入直前の前日に
2公演を終えるという
奇跡のようなこのコンサート、
聞いていて、何度も鳥肌が立ちました。

指揮者のラザレフさん、
日本フィルの皆さん、
本当にありがとうございました。
 
わたしは配信で拝見しましたが、
皆さんの演奏で音楽の豊かな美しさに触れて
本当に胸がいっぱいになりました。

今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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