上野・湯島天神の梅まつりと旧岩崎邸庭園
去年の春も一昨年の春もコロナ禍で引きこもりがちでしたが、今年は花の便りに誘われて出かける機会も増えました。
上野の湯島天神が梅の名所ということは知っていたのですが、これまで一度も行ったことがありませんでした。
湯島天神は江戸時代から「梅の名所」として有名で、2月から3月にかけて開催される梅まつりも、今回で66回なのだとか。
天神さまといえば、菅原道真。
菅原道真と梅といえば、
「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
の歌が有名ですよね。
道真は幼少の頃から梅を愛したそうで、5歳の時に詠んだと言われる歌が
「うつくしや 紅の色なる梅の花 あこが顔にも つけたくぞある」。
「ぼくの顔にもつけたい」
という発想が、可愛らしいですね(^^)
わたしは先週の日曜日に出かけたのですが、たくさんの方が梅を見にきていました。
予想以上に梅の種類も多く、出店も並んでいます。
本殿にお参りするための行列も、お正月のよう、とまでは言わないものの、かなり並んでいました。
「湯島名物 合格甘酒」の看板を見て(わたしは今なんの合格祈願をしていないのですが、汗)梅を見ながらいただきました。
こんなにあっさりした甘酒は初めて、というくらいに甘さ控えめの美味しい甘酒でした。
境内の宝物殿では梅にまつわる作品が展示中。
奥村土牛「早春」、川合玉堂「春信」、菱田春草「白梅図」、前田青頓「紅梅図」、伊東深水「白梅」、上村淳之「雪野」など、梅を描いた作品の他に歌川広重の湯島天神を描いた作品もあり、点数はあまり多くなかったものの、面白く拝見しました。
この日も「ぐるっとパス」を利用して湯島天神の近くの旧岩崎邸庭園に立ち寄りました。
この邸宅は岩崎彌太郎の長男で三菱の第3代社長だった岩崎久彌の本邸として1896年に作られた邸宅です。
敷地も往時よりも減っているとはいうものの、かなり広大な敷地です。
建物も今残っているのは洋館、撞球室、和館大広間の3棟だけですが、その広大な敷地に20棟の建物が立っていた頃にはそこだけでひとつの村のようだったのかもしれません。
英国人のジョサイア・コンドルが設計したという邸宅を歩いていると、その昔英国に1年住んでいた時に週末の度に美術館や邸宅を見学して歩いていたことを思い出しました。
あのミントン社製のタイルがベランダに敷き詰めれられていたり、壁紙にも特別に作られた金唐革紙の壁紙が使われていたり、贅を尽くした建物から当時の繁栄の様子が伝わってきました。
敷地内には国立現代建築資料館もあり、少しのぞいて見たのですが、「建築に何が可能か」という展示は、ど素人のわたしにはあまりに専門的で、
「場違いなところに来てしまった」
と冷や汗。
専門的な内容ですが見学者は多く、建築関係のお仕事をされているらしい方達や建築を学んでいる学生さんなのかな、という若い方達が熱心に見学されていてその熱に押されるように会場を後にしました。
それにしても、これまで梅の季節にほとんどお花見に行っていなかったことを
「もったいないことをしてしまったな」
と思いました。
今年は梅が咲いているうちは、近所も含めて、積極的に梅を見に出かけるつもりです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。