西荻窪に散歩に行けば。
少し前のシルバーウィーク。
わたしはほぼ通常通り仕事をしていたのですが、台風が通り過ぎた日曜日、ご近所の西荻窪に遊びに行きました。
「にしおぎ」に行くようになったのはつい最近のことですが、本屋さん、飲食店、小さなギャラリーや雑貨店など、散歩していてあちこちのぞくのが楽しいのです。
今回の第一目的は、駅近くの今野書店に店頭の「枡野浩一祭」を見に行くこと。
歌人の枡野浩一さんの最新刊「毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集」の刊行を記念して、枡野さんも参加する「短歌西荻派」(枡野浩一さん、木下龍也さん、山科基さん)による選書フェアが開催されているのです。
書店さんの独自企画のようですが、枡野さんや短歌西荻派への応援と愛に溢れるような展示でした(写真やSNSへの掲載もOKとのこと)。
わたしは枡野浩一さんの新刊は今野書店に行く前に購入していたのでこちらでは購入しませんでしたが、著者サイン本がたくさんあり、羨ましかったです(笑)
この本、読んでていて切なくなる歌や
自分自身の過去を振り返って
ちょっと辛くなる作品もあるのですが、
何度も手にとって読み返すことになりそうです。
特に好きだなあ、と思ったのは
「雨上がりの夜の吉祥寺が好きだ 街路樹に鳴く鳥が見えない」
でした。
この歌を読むと、吉祥寺で買い物をして暗くなってから雨上がりの井の頭公園を歩いて帰って来る時の情景が目に浮かぶのです。
(わたしにとっては吉祥寺と井の頭公園はひとつながりなのです)
ちょっと空気がひんやりしていて、いつもよりも夜の公園を歩いたりベンチで話している人も少ない。
しんとした中、どこかで鳥が鳴いていても、暗闇の中ではどこにいるかもわからず、声を聞くばかり。
(公園内の木は街路樹、とは少し違いますが)
鳥ではありませんが、夏の夜の虫の声が静かに聞こえる様子も思い出しながら読みました。
西荻窪は古本屋さんも多いので、何軒かはしごしましたが、最後の1軒に入ろうとした時、どこかで見覚えのあるようなポスターが目に入りました。
「そうだった、はしもとみおさんの作品展、やってたんだった!」
昨年、吉祥寺で彫刻家のはしもとみおさんの個展があり、まるで生きているような「わさお」の彫像を始め、表情豊かな動物たちの彫像を見てすっかりファンになったのです。
少し前にTwitterではしもとみおさんの作品が西荻窪で展示されている情報を目にしていたのですが、その場所がどこなのか、わたしはわかっていなかったのでした。
まさか、その場所を通りかかることになるとは。
今回ははしもとさんの個展ではなく、「モリノケモノ展」というタイトルではしもとみおさんと本多絵美子さんという方のお二人の作品が展示されていました。
会場となっていた「tsugumi」さんは生活日用雑貨店だったので、通常の雑貨商品とともにお二人の作品を拝見しました。
本多さんの作品は初めてでしたが、まるまるっとしたフクロウなどが可愛らしい。
はしもとさんの作品は、本当に生きているようで、360度どこから見ても楽しい。
お二人ともクマの作品があったのですが、クマはクマでも、やはり表現方法が全然違っていて、しばらくゆっくり拝見し、お店の方に確認して写真も撮影させていただけました。
実はこの日が最終日だったので、間に合って本当に良かった!
今回は行きたかったお店の一軒がおやすみだったのですが、それはまた「今度のお楽しみ」にします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。