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第123回 「勘」とは何か? というと、『経験の総和』。「当てずっぽ」とは別物!

ビジネス書のヒットは「タイトル」と「タイミング」が9割。では「どんなタイトルで、いつ出すか?」はどう決める?

今日は【『タイトル』と『タイミング』が9割】というテーマでお話ししたいと思います。

『夢と金』が「楽天Kobo ビジネス書2023年間ランキング」で堂々の第1位!


今日は、「ヒット作はどうやって作るのか?」という、そこまで再現性が高くない話をしたいと思います。

そこまで再現性は高くないですが、ここに関しては「押さえないより、押さえておいた方が、まだイイ」というような話です。

昨夜、Voicyの緒方さんから「おめでとうございますっ!」とLINEがきて、何事かと思ったら、『楽天Kobo ビジネス書2023年間ランキング』で、僕が今年出版した『夢と金』(幻冬舎)が堂々の第1位に輝いたそうです。

完全に皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。

ちなみに、ビジネス書2023年間ランキングのベスト10は以下の通り。

「楽天Kobo ビジネス書2023年間ランキング」
(集計期間:2023年1月1日〜2023年10月20日)

1位  夢と金
2位  頭のいい人が話す前に考えていること
3位  年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資
4位  一生頭が良くなり続ける すごい脳の使い方
5位  とにかく仕組み化
6位  嫌われる勇気
7位  DIE WITH ZERO
8位  限りある時間の使い方
9位  「超配当」株投資
10位  会社員のための節税のすべて

こうして見ると、1位〜10位までの間に「お金(投資や節税)」に関する作品が4本も入っていて、もしかしたら「お金」が2023年の隠れトレンドだったのかもしれません。

今年は「円安」が話題になっていたし、ぶっちゃけ、日本の未来(政治)にあまり期待が持てないのもあって、「さすがに、お金の勉強をして、自分で自分の身を守らなきゃマズくね?」となったのかもしれません。

僕自身、そういう気持ちになったから『夢と金』を書く気になった…というのもあるので、「日本の多くの大人が『さすがに、お金の勉強しなきゃマズくね』と思い始めた」は、あるかも。

そういえば『夢と金』は一文字も書いていない時点(タイトルしか決まっていない状態)で予約販売を開始して(破天荒かよ)、出した瞬間に「Amazon総合ランキング1位」になったんです。

本の内容がまだ決まっていないのに。
なので、やっぱり「タイトル」が強かった(今の時代を捉えていた)のかもしれません。

そんなこんなで「ヒット作が生まれるまで」の話です。


「このタイトル、いいじゃん」「このタイミング、いいじゃん」を誰が判断する?


あらためてビジネス書のヒットは「『タイトル』と『タイミング』が9割」だと思います。
「どんなタイトルで、いつ出すか?」ですね。

ヒット作を出したければ、内容は、その二つが決まってから、決めるのが良さそうです。
ポイントは、「『タイトル』と『タイミング』を誰がジャッジするのか?」という部分ですね。


「このタイトル、いいじゃん」「このタイミング、いいじゃん」を誰が判断するのか?
これって「数値」で出せるものじゃなくて、「時代」や「風」を読む作業だから、どこまでいっても「勘」に頼ることになるのですが、「そもそも『勘』とは何か?」というと、『経験の総和』なんですね。

「そろそろ嵐が来そうだな」というのは、何百回も何千回も海に出た船乗りにしか分からないわけで、初めて海に出る子供の「そろそろ嵐が来そうだな」は『勘』ではなく、『当てずっぽ』です。

そう考えた時に作者が自問自答しなきゃいけないのは、「そもそも自分は確かな『勘』を持ち合わせているのか?」「確かな経験を積んできているのか?」という部分です。

ご存知の通り、僕はいろんな業界を越境して、「いっちょ噛み」を繰り返していますが、いろんな業界のクリエイターさん表現者さんを見て思うのが、皆さん、素晴らしい才能をお持ちなのですが、「見ている量」が圧倒的に少ないんです。

もちろん、自分が所属している業界の動向(競合の作品)などはたくさんご覧になられているのですが、一度、業界を跨ぐと「知らないっす」ばっかりなんです。

「面白いもの(話題になっているもの)があったら、ジャンル関係なく、とりあえず見る!」というハイエナみたいな表現者って、意外と少ないんです。

「ハイエナ」の流れで名前を上げるのは失礼極まりないのですが、秋元康さんとか、ビックリするぐらい「知ってる」んです。
「あの作品、ご覧になられました?」と聞くと、大体、ご覧になられている。
鈴木おさむサンもそう。

そういう人が下した判断のことを『勘』と呼ぶと思っていて、繰り返しますが、ほとんど何も見ていない人(情報が少ない人)の判断は『あてずっぽ』で、そんなものに『タイトル』と『タイミング』を任せるのはあまりにも危険です。

本を出す時は「編集者」がいて、『勘』を持ち合わせている編集者のことを「良い編集者」と呼ぶと思うのですが、そういう人に出会えたらならば、『タイトル』と『タイミング』は絶対に任せた方がイイ。

自分の経験値(情報量)を俯瞰で見て、そこの判断を任せられるかどうかも作者の実力だと思います。

西野亮廣

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