第117回 AI時代に価値が上がるのは「歴史・良い土地・ストーリー」。そして「制作過程を隠すクリエイター」の価値は下がる!
西野亮廣が考える、AI時代に価値が上がるモノ・下がるモノ
今日は『価値が上がるモノ、下がるモノ』というテーマでお話ししたいと思います。
やっぱりAIがヤバイ!
伊藤園が「おーいお茶」のテレビCMにAIタレントを起用したことが話題です。
これに関しては遅かれ早かれやってくる未来だったので特に驚きはありませんが、「日本で初めてAIタレントをテレビCMに起用した」という広告戦略は見事だなぁと思います。
そのへんのアイドルを起用するよりも遥かに広告効果が高かったのでは?
同時に、「二人目」には、あまり価値がない。
今はXを見ても、Instagramを見ても、AIが生成したモデルだらけで、ついに「MAVE:」というAIアイドルグループまで出てきて、人気を博しています。
彼女達は不祥事も起こさなければ、年も重ねないので、企業が「ゆるキャラ(マスコットキャラクター)」を作るように、各社が、自社バーチャルタレントを持つ未来も近そうです。
同時に、『美人のコモディティ化』(※コモディティ化=市場が活性した結果、他社が参入しユーザーにとって機能や品質などで差がなくなってしまうこと)も不可避で、「次は何に価値が出るのだろう?」「どこで差別化を図ればいいのだろう?」は常に考えておいた方がいい。
AIの普及によって価値が上がるもの
端的に言えば、「AIが生成できないモノの価値が上がる」といったところだと思いますが、今、パッと思いつくのは【歴史】と【良い土地】と【ストーリー】の三つ。
この三つは、買えるチャンスがあれば買っといた方が良さそうです。
「歴史」の価値が上がることに関しては説明不要だと思うのです、「良い土地」の話を少しだけすると…
「良い土地」というのは、価値が上がるから「良い土地」なんですけども、これまでと少し状況が違うのは「良い土地の価値の上がり方がヤベエ」といったところ。
国連の予測によると、世界人口は2030年に約85億人、2050年には97億人に増え、2080年代中に約104億人でピークに達するそう。
そして、そのまま2100年まではピークを維持するんだってさ。
人口の増減予想は時折ハズれますが、大きくハズれることは無いので、「2080年に100億人」あたりなのでしょう。
とにもかくにも僕らが生きている間は、地球人口は増え続ける。
日本の人口は減り続けているので、田舎の方では土地が余り倒していますが、その一方、僕の周りでも「外国人に買われちゃ〜う」という攻防戦がチョコチョコ展開されていて、「日本の土地を海外の方が買う」ということを考えると「日本の人口が減っている=日本の土地の価値が下がる」というのは、いささか乱暴な結論な気がします。
最近だと各地のコンパクトシティ政策もそこそこ進んでいて、ちなみに、僕の地元・川西市の僕の自宅(見上げる家)まわりの土地は、この2〜3年で急激に価値が上がっています。
#ほんとに一気に高くなった
ここらへんはボケーとしてられまへんな。
#大阪人
三つ目は「ストーリー」です。
「ストーリーで差別化を図るしかないよねー」みたいな話は方々言われていることなので今さら書くまでもありませんが、一つ、「高確率でAIに駆逐されるクリエイター」というのはあって…
それは「制作過程を隠したがるクリエイター」です。
皆さんは西野亮廣で慣れているので、すっかりマヒしていると思うのですが、「未完成なものは見せたくない」というクリエイターが9割です。
格闘技で例えるなら、「煽りVTR(試合前の罵り合い)無しで、試合だけ見せる」というスタンスです。
そこで見事なキックやパンチを見せられても、「知らないオジサン同士が戦っているだけ」なので、興奮もヘッタクレもありません。
話を戻すと、「AIが完成品を量産しまくっている時代に、なんで完成品を売りにいくのよ」という話で、
(西野界隈では数年前から起きていますが)まもなく起きる流れとしては「制作過程を隠すクリエイターには仕事のオファーを出さない」は確実にあるでしょう。
AIがスッ飛ばす「プロセス」こそが、人間に残された仕事なので。
このへんの意識改革ができないと綺麗サッパリ時代に置いていかれると思います。
【歴史】【土地】【ストーリー】…あとは何があるんだろう?
AIが一般化した時代に消えるモノ・生まれるモノは何だろう?
これは常に考えておいた方が良さそうですわ。
西野亮廣
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