【Creative Works4】カスタマーサクセス - もし任天堂SWITCHでカスタマーサクセスをしたらどうなる? -
この言葉がわかる人はどれくらいいるだろうか。
おそらくほとんどいない。
僕自身も、3月までこの職種について知らなかったし、どういったことをやるかの具体的な像が見えてきたのは、4月にニットに入社してポジションについてからである。
一方、すごく求められている職業で引手あまたな状況だ。
現にこの職業がなければ、多くの定額制サービスは崩壊している。
アマゾンプライム・LINE MUSIC・Apple Music・Netflix
ビジネス系だと、Sansan・freee・Adobe などなど
今では、生活に欠かすことができないサービスが全てうまくいかなくなる。そしてこれから先、さらに需要は加速する。
実際Wantedlyで「カスタマーサクセス」で求人を検索すると
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3倍以上増加している。
今日は、そんな『カスタマーサクセス』について、未来の職業でもあるので、小学生でもわかるレベルで書いてみた。
そう。
クリスマスシーズンでもあるので、任天堂のSWITCHを題材にして書いてみた。
1人でも多くの方に、『カスタマーサクセス』が何かを認知いただき、皆が顧客への成功体験を実現することに意識が向くようになって、カスタマーサクセスという職業が不要になる世界になれば嬉しく思う。
【 目 次 】
■世の中の売り方モデル
■カスタマーサクセスとは?
■コミュニティの立ち位置
■コミュニティが入ることの可能性
■これから実現したいこと
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■ 世の中の売り方モデル
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まずそもそも『カスタマーサクセス』というポジションがなぜ必要になってきたかを説明する。
いろいろな理由があるのだが、一番大きな要因は、商品やサービスの売り方が大きく変化したことにある。
以下説明していく。
- ① 売り切りモデル -
20年前までは、この販売方法がド定番だった。
要は「何か商品を使いたかったら買ってね。」というスタイル。
SWITCHで例えてみるとこんな形だ。
【 例 】
3万円払えばSWITCHが買える。ただ遊びたければ、追加で1つ5000円のソフトを買う必要がある。なので、遊ぶなら最低3万5000円必要。
小学生からしたら3万5000円は大金。お年玉とかお小遣いをフル活用して、手にいれないといけないから、ムッチャリスク。
だって、SWITCHが面白そうなのはわかってるけど、まだやった事ないから、ハマるかどうかわからないから。
またソフトでも同じ事が言えて、スマブラがハマるかもしれないし、もしかしたらマリオカートがハマるかもしれない。ハマらなければ、5000円の損をする。
- ② 定額制モデル(サブスクリプション(サブスク)モデル) -
ここ3年位でよく出てきている形式。
アマゾンプライム・Apple Music・dマガジンなど、月額●●●円支払えばモノを買わなくても利用できるスタイルである。
最近だと、ラーメンや家電・衣服と言った日常サービスでも見られる。
SWITCHで例えてみるとこんな形だ。
【 例 】
月1000円払えば、SWITCHとソフトが使えて遊べる。ただし、一度も遊ばない月があっても1000円払わないといけない。
売り切りモデルよりもSWITCHで遊ぶハードルは下がるけど、毎月遊ぶかな?という不安はついてくる。売り切りモデルよりもSWITCHで遊ぶハードルは下がるけど、毎月遊ぶかな?という不安はついてくる。
- ③ 消費モデル -
サブスクモデルの次に来るといわれているスタイル。
携帯のアプリのように、ダウンロードするだけなら0円でお試しも0円。
本格利用するとなると利用した分だけお金をもらうスタイルだ。
SWITCHで例えてみるとこんな形だ。
【 例 】
SWITCHとソフトはタダで渡される。そして遊ばなかったら0円。遊ぶとなっても、遊んだ時間数ごとに1時間●●円お金を払えば遊べる。
売り切りモデルは、それこそすごく歴史のあるモデルであった。
しかしここ20年近くで複数回販売モデルが変化しようとしているし、様々なモデルが並走している状態だ。
このようにビジネスのモデルは大きな変換期をむかえている。これによって、企業は利益をどのタイミングで得る事ができるか変化しているのだ。
そこで重要になってくるのはこれ。
どうしたらお客さんはSWITCHで遊び続けてくれるかという点になる。
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■ カスタマーサクセスとは?
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ここで登場してくる職種こそが、カスタマーサクセスになる。
カスタマーサクセス とは ・・
お客さん(カスタマー)を成功(サクセス)に導くこと
SWITCHは画期的なゲームである。
2019年12月22日時点でSWITCHを使って遊べるソフトは1766個もある。
現在ゲームの枠を超えて、カラオケ・フィットネス・脳トレ・工作などなどができたりする。
びっくりするくらい遊びの幅がある。全部のゲームをやるとなると途方もない時間がかかりそう。笑
だからこそ、SWITCHに関する全ての商品・能力をつかえるお客さんはいない。
カスタマーサクセスの仕事はこのギャップを埋めていくために存在する。
1人でも多くのお客さんにSWITCHができる事を見せて「SWITCHむっちゃ良いやん!」「SWITCHを買って良かった!」と思ってもらい、使い続けてもらうことがミッションである。
ではどうやって実現していくのか。
実はカスタマーサクセスには、公式がある。
端的に言うと
CXとは、「SWITCH良いね!」って思ってもらうこと
COとは、SWITCHを買って利用したことで得た欲しい成果のこと
COの例でいくと、「友達ができた」「ダイエットができた」「ボケ防止につながった」「ストレス発散できた」などなど。
つまり、カスタマーサクセスを実現するには、CXとCOをお客さんに体感してもらうことが必要なのである。
ただし、ここで1点おさえておかないといけないのは、同じ略称の仕方をするカスタマーサポートとの違い。
カスタマーサポートとは・・
お客さん(カスタマー)を手助け(サポート)すること
例えば「使い方がわからない」「故障したけど、どうしたら良いの?」といったお客さんから来るヘルプ。
このヘルプが出てから対応すること(受動的な対応)は、カスタマーサポートを指す。
ある製品の満足度をマイナスから0にすることが、カスタマーサポートの意味合いだ。
SWITCHだとこっちがカスタマーサポート
一方カスタマーサクセスは、お客さんの成功をミッションに、中長期的に戦略を練って満足度を上げていく。
ある製品の満足度を0→100にする。能動的に対応することがカスタマーサクセスになる。
SWITCHだとこっちがカスタマーサクセスの意味合い。
カスタマーサクセスのゴールは、いかに製品に対して満足してもらい、使い続けていただけるかにある。
SWITCHなら、プレステ4とかスマホアプリとかある中、いかにして「SWITCH良いね!」と思ってもらい、遊び続けてもらうかが肝である。
その状態を実現するためには、もちろんこれだけやっていたら絶対大丈夫というような正解となる手段は存在しない。
新しいソフトを作ること・芸能人やyoutuberにSWITCHを使って遊んでもらうこと・ゲーム大会を開くこと・メルマガを送って新しい使い方を配信すること・無料でゲームができる機会を作り、触れるハードルを下げるなどなど、いろんな方法があるのだ。
そんな状況下で、最近注目されているのが「コミュニティ活用」である。
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■ コミュニティの立ち位置
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コミュニティがない場合のカスタマーサクセスは下記のようになる。
CS(カスタマーサクセス)が起点となって、既存顧客へのアプローチを行う。ただ、アプローチをして満足度は上がるものの、既存顧客の数が膨大なため、1人1人のアプローチは不可能。
一方、満足度は上がっても、そこから新規顧客へのアプローチにつながるかと言えば、個々の動きになるので影響力は弱い。
一方、コミュニティがある場合どうなるか。
コミュニティを使って、お客さんが製品やサービスを使う流れをつくり、満足いただいて使い続ける流れを作れる。何より満足度の高い人を多く作り出せる。
そしてコミュニティから新たな使い方の発掘・製品やサービスの改良意見を多く生み出してくれる。
この流れを図に表すとこんなイメージ。
また、コミュニティマーケティングの考えを踏まえると、コミュニティ内で下記の図のような動きを作ることができる。
メンバー見込み → メンバー → サクセスメンバー → アドボケイト(代弁者やコミュニティリーダー)に育つサクセスストーリーもコミュニティ運営をしっかり向き合えば実現できるのだ。
とはいえ、あくまでコミュニティは、カスタマーサクセスを実現するための手段であることをおさえておくべきだ。
うまく機能すれば、上で説明したCXとCOの効果を最も最大化できる手段と僕は思っている。それくらいコミュニティの影響力は高い。
ただ、下記のnoteでも書いたように、コミュニティの形成・運用をすることは非常に難しいし、出来る人材はほとんどいない。
ではなぜ、そんなにも影響力が高いと言えるのか。
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■ コミュニティが入ることの可能性
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考えてみてほしい。
自分が小学生の時、任天堂がオフィシャルで出すメルマガやゲーム雑誌を読んでいただろうか。
SWITCHを買ったものの全然遊んでいない人だったら、特に何か遊び方を知ろうと公式サイトに行ったりするだろうか。
答えはNOである。
どちらの状況の時に最も心が動くのは、自分の周りに居る友人ではないだろうか。
友達の家に遊びに行ったらゲームがあって、遊んでみたら無茶苦茶ハマってしまう。
そして親に買ってほしいと頼む流れだ。
僕は特に64世代だったので、スマブラやカスタムロボでやられた笑
任天堂が発信するよりも、任天堂と全く関係ない他人が発信し、そして共通の話で盛り上がれる場の方が、よりSWITCH良いね!遊ぼうという流れになるのである。
一方、例えばSWITCHを毎日やっていて、特にマリオカートが異常にうまい人が居たとしたら、マリオカートが大好きな人達のコミュニティがあると参加したいと思うだろう。
そこで、「●●君うますぎるよ!」「ここどうやったらタイム縮めれるの?」とか認められたり頼られると、そのコミュニティ内で貢献しようとするし、より高みを目指そうとする。さらにマリオカートをやる流れになる。
コミュニティ全体でマリオカートをする流れにもなるし、そのコミュニティで、例えば「●●というコースあったら超面白そうじゃない?」という声なんか上がれば、ゲームに対するユーザーの要望でもあるので、より良いゲームを作ることができる。
上の例では、近所の子供たちのコミュニティ話であるが、今ではソーシャル化が加速しており、これがyoutube内や各種SNSで世界中の人が繋がって、いたるところで見られている。
例えばSWITCHだと下記のような取り組みをしている。
【 スーパーマリオメーカー 】
マリオのコースを自由に作れて、作ったコースを世界中にシェアできる。
世界中の人が作ったコースで遊べて対戦もできる。
同じコースで全員で遊んだり、協力プレイもできたりする。
大会も開いていたりする。
また公式ではないけど、攻略方法やコース作成をシェアできるコミュニティも生まれている。
そしてこのnoteを書いて思ったのは、任天堂が恐ろしいほど戦略的であること。全てが繋がりすぎていて、SWITCHがバカ売れするのは納得だ。
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■ これから実現したいこと
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今、本業・複業でもコミュニティの立ち上げ・運用をしているので、このコミュニティを使って、カスタマーサクセスの事例を作ってみたいと思っているし、僕だからこそチャレンジして実現すべきだと思う。
来年、最低でも1つは成功事例をだせるようにしたいと思っている。
具体的には、現在本業でやっている株式会社ニットのコミュニティマネージャーにて、HELP YOUのサービス拡大で1つ成功事例を出そうと思う。
ここの構想はまだカタチにできていないけど、ある程度、頭の中ではイメージできているので年末年始のお休みで少し精査しようと思う。
また出来たら、反響みながら有料コンテンツで作成しようと思う。
今週はここまで。
早いもので、11月18日から始まった週1note vol.5も残すところあと1回。
今回のシーズンでは、自分の職業について紹介している。
最終回は、これまでの紹介を踏まえて、自分だからこそ出来る事について触れたいと思う。ある意味、2019年12月時点の自己紹介とでも言える。
来週もよろしくです。
■ クリエイターズ・ファイル ■
00 【プロローグ】クリエイターズ・ファイル(11/24 土)
01 【Creative Works1】コミュニティマネージャー
- 名ばかりコミュマネとイケてるコミュマネの違い -(11/30 土)
02 【Creative Works2】コミュニティビルダー
- ビルダー・コミュマネ・コミュデザの違い -(12/7 土)
03 【Creative Works3】フェス・イベントコンサルタント&オーガナイザー
- 日本のフェス・イベントはすでに死んでいる -(12/14 土)
04 【Creative Works4】カスタマーサクセス
- もし任天堂SWITCHでカスタマーサクセスをしたらどうなる? -
(12/21 土)
05 【Creative Works5】Self-introduction - 今の自分と2020年やりたい事 -(12/28 土)