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小3女子に魅せられて、僕はまた穴を掘りたくなった。

今回はpoohさんのこちらの企画に参加します。



僕がご紹介するnoterさんはこちら。


小3だってさ。まず小3で、もうすでに自分を発信しているってのがすごい。


小3といえば、ちょうど僕が庭に穴を掘っていた頃だ。来る日も来る日も、ただひたすら穴を掘っていた。


別に人を殺めたわけではない。


子どもは感情に純粋だから、穴を掘りたいという衝動に素直に従ったのだろう。


でもそのときの本当の気持ちは、今の僕にはわからない。


過去の出来事を思い返すたびに、なんらかの形で当時の感性を記録に残しておいたらよかったなぁと思うのだ。


だからぷっちょちゃんの活動はすごく応援したくなる。


ちなみに穴の件は、小学生にしてはなかなか頑張ったものの、深さが2mくらいになったところで地面がもう子どもの力では太刀打ちできない硬さになり、それ以上は断念することとなった。


さて、ここからが本題。


彼女はプロフィールでもわかる通り、可愛らしくて味のある絵を描いて投稿しているのだが、その中でも僕のお気に入りの作品がこちら。



これは、すごい。


なにがすごいって、「おまえがな」という言葉の破壊力だ。


字体や文字の大きさ、「が」から改行しているところも、これじゃなきゃいけなかったというくらい申し分ない。


そして、ピンクの背景とゆるいタッチのひよこの絵、さらにはこれを小3の女の子が描いているということでさえ、全てが完璧に計算し尽くされた「おまえがな」までのフリのように思われる。


「かわいさ」大きくに振っておいて、最後の一言で落としているわけだ。


また、やせすぎたひよこが「げんきだせよ」と言っているのも、風刺のきいた皮肉さがあってなかなか深いではないか。


どれくらい深いかというと、少なくとも小3のときに僕が掘った穴くらいは深い。


そもそも”痩せた”ひよこを描こうというのも僕の考えの中にはない。


この絵は、小3のならではの自由な発想が生み出したものだろう。


そういう枠にとらわれない奔放な感性を、僕はいつまでも大切にしたい。


幼稚園の時、園のみんなでサンタさんの顔を描いて壁に飾るということがあった。サンタさんの目つきを怪獣のように鋭く描いたら、「怖いからもっと可愛く描きなさい」と言われた。僕は三角の目を、黒いクレヨンで丸く塗り潰した。


小学校の図工で水彩画を描く時間、画用紙に字をたくさん書いていたら「絵の中に文字を書いてはいけません」と言われた。僕は新しい画用紙に、上手くも下手でもない鳥の絵を描いた。



僕は2mで掘るのをやめてしまったけれど、ぷっちょちゃんはどこまでも深いところを目指して欲しいなぁなんて、勝手に思っている。



そうしていつしかその穴が地球の反対側にまで達したとき、僕はこう言うだろう。





「ブラジルの人、聞こえますか?」






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