発達障害の子供達の「コミュニケーションのズレ」はなぜ起こるのか？

　発達障害の子供達の問題の中の大きな割合として、
「対人関係トラブル」
は大きな比率を占めます。
特に、
「あいつに悪口を言われた！」
「俺はそんなことを言っていない！」
などの
「コミュニケーションのズレ」
が大きな原因のことがほとんどです。
　なぜこのようなコミュニケーションのズレが起こってしまうのでしょうか？

１）最大の原因は「心の理論」

　まず最大の原因は、「心の理論」の弱さです。
心の理論とは、
「他人には自分とは異なる考えや気持ちがある」
と理解する力のことです。
これが未熟な発達障害の子供達は、
他者の意図や感情を読み取るのが難しく、コミュニケーションでズレが生じやすくなる
のです。

例えば、友達が遊びたくない様子で「今日は無理」と言っても、その真意を受け取れず、文字通り受け取るだけなので、その結果、
「なんで断るの？」と強く迫ったり、
「自分が嫌われている」と一方的に思い込む
ことがあります。
こうしたズレは、本人に悪意がなくても誤解やトラブルを生む原因になります。

２）次の原因は「状況認知能力の低さ」

「状況認知能力の低さ」とは、
「今、目の前で何が起きているのか」を正しく理解する力が弱い状態
を指します。
この力が低いと、
自分の行動や発言がどのように受け止められるかを予測するのが難しい状態となり、結果的にコミュニケーションのズレが生じやすくなります。

例えば、
友達と遊んでいる時に、他の子が困った表情をしていたり、周りの雰囲気が変わったりしても、それを読み取れないとトラブルに発展しがちです。
誰かが「それはやめて」と言っても、「何が問題なのか」がわからず、やり続けてしまうことがあります。
また、教室で静かにするべきタイミングがわからず、授業中に大きな声を出してしまい、周りから注意されるケースも典型的です。

こうした状況では、子ども自身は「なんで怒られたの？」と困惑してしまいます。その結果、自己評価が下がったり、友達や先生との信頼関係が崩れることもあります。

３）最後は「様々なスキル不足」

ここでいうスキルとは、
言葉を正しく選ぶ力、表情を適切に使う力、話すタイミングをつかむ力
など、コミュニケーションの基本を支える多くの要素を指します。
これらのスキルが未熟だと、
伝えたい内容が正しく相手に届かず、意図しない誤解やトラブルを生む
ことがあります。

例えば、
相手に頼みごとをする際、
「貸してくれる？」と言うべき場面で「貸して！」と強い言葉を使う
と、相手は命令されたように感じてしまいます。

また、
「ありがとう」や「ごめんね」といった一言が自然に出てこない場合、相手には冷たい印象を与えてしまう
こともあり友達関係にも大きな影響を及ぼします。
こうしたスキルの不足が、コミュニケーションのズレを生み出します。

さらに、
話すタイミングが合わない
のもスキル不足の一例です。
相手が話している途中で割り込んでしまったり、返事が遅れすぎたりすると、相手は「聞いていないのかな？」と感じることがあります。
また、ASDの子に多いのですが、
表情や声のトーンが言葉と一致しない
場合も、相手に混乱を与えます。
冗談を言っているのに真顔で話してしまうと、「怒っているのかな？」と誤解されることがあります。

このような３つの「コミュニケーションのズレ」の問題に対して、有効な支援・指導法があります。
　それを「ソーシャルトークサポート」と言います。
　私が開発した「ソーシャルトークサポート」のツールキットと支援のやり方を詳細に記した記事を、次回の「メンバーシップ限定記事」でダウンロードできるようになります！
　ぜひメンバーシップへの登録をお済ませ下さいね！
　お家でも園でも学校でも使えるキットです！お楽しみに！