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日本の特別支援教育の課題「高学年の特別支援拒否問題」

 私も現役時代から、この問題に当たってきました。
 「高学年から特別支援学級に転籍しようとすると拒否される」
 「高学年になると、特別なサポートを嫌がる」
 「中学校くらいになると、みんなと同じにこだわってしまう」

という
「高学年の特別支援拒否問題」
です。
 これは、本当によくある問題でしたし、現段階でオンライン発達相談でも、この問題についての相談をよくお受けしています。
 これは、何が問題なのでしょうか?


小さい時は良かったのに・・・・

 一つは、「自己認知」の問題です。
 「自分は、そこまでうまくいってないわけじゃない」
と認識してしまっていることが課題なのです。
 実は、多くの大人のサポートを受けて、成功していたり、学校生活が成立しているのに、
「自分の100%の力で成立している」
と認知してしまっているのです。
 これは「自分自身がどんなサポートを受けているか?」ということを子供自身に明らかにしてこなかったことが一つの要因でしょう。
 
 二つ目は、「こだわり」の問題です。
「その他大勢の人と同じことができることに価値がある」
「特別なサポートを受けることは恥ずかしいことだ」

というような「ステレオタイプ」を持ってしまっていると、そこにこだわってしまいます。
 では、このような「ステレオタイプ」はどのように身についてしまうのでしょうか?
 これは間違いなく「教育」と「周りの大人の影響」です。
 大人が子供に伝える希望系の言葉はやほめ言葉が、
「みんなと一緒にできてほしいな。そうなるとお母さん嬉しいよ」
「みんなと同じことができていてすごいね。成長したね」

というような思いを持ってしまっている場合、その価値観が強化されていきます。
 そして、その価値観は、「無理にでも集団に属していることに価値がある」とこだわってしまいます。
 
 三つ目は、「できなくなってから、困ってからでは、受け入れづらい」ということです。
 1年生の入学の段階や、2年生くらいでも、これは全国的な傾向として、今もなおあります。
「1年生〜2年生は様子をみましょう。行動や学習が難しくなってきたら、特別支援学級に転籍を考えましょう」
というものです。
 これ、よく考えてみてくださいね。
「失敗したら、特別支援学級にいきましょうね」
ということです。
 子供達は、その時点で「傷ついています」。
 「俺は、問題児だから、違った場所に行かされるんだ」
 「また次の場所でも、俺は傷つけられるんだ」

と思いますよね。
「なんでそんなところに行かなきゃいけないんだ!!」
と思ってしまっても仕方がありません。

 これらを解決する方法が私はあると思っています。
 下記の写真は、ボストンの高校生の特別支援を受ける生徒の様子です。
 

みんな落ち着いて、自分のペースで学習を進めている

 多感な高校生の時期でも、特別支援を受けることを拒否することなく、受け入れている多くの高校生の姿が印象的でした。
 この子達は、この地域で、
「小さな頃から、特別支援教育を一貫して受け続け、自己理解を高め、成功し続けている」
のです。
 詳しいことは、アメリカの高校の特別支援教育については、メンバーシップ限定記事にも登場します。またご覧ください。
 しかし、
「小さい時からしっかりと特別支援教育を受ける」
「小さい時から成功を積み重ねる」
「小さい時から、自分の特性について理解していく」

このことがキーワードなのだと最近は感じています。
 このことを日本で実現していくのが私の使命だと信じています。

 
 
 

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