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「インド倶楽部の謎」と「カナダ金貨の謎」を読んだ話。
以前読んだ本の感想まとめです。
今回は有栖川有栖さんの
「インド倶楽部の謎」と
「カナダ金貨の謎」の2本立て。
国名シリーズ最新作、「日本扇の謎」が発売になりましたねーー!祝祝!!
まだ実物を手に入れてないとか遺憾ですよ。
誠に、遺憾です。
でも仮に即入手したとしても、勿体無くてすぐ読まずに寝かせそうな気もするな…
本格ミステリの感想だけど、ロジカルな推理の感想など無いのがいつものことです。
若干のネタバレ感もありかもなのです。
そんな読書感想ですが、よかったらお楽しみください。
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長編
おお… 終わり方ァ……… なんか、なんか
最後の最後の締め方が、妙に刺さる。これ、どっちだ?どう捉えたらいいんだ。
内容は「前世」を題材としたストーリー。
個人的なことをぶっちゃけると、以前はスピリチュアル世界に少々興味を持っていた時期もあるので、いわゆる“前世”というものに対して、ひどい嫌悪のようなものは特に抱いてはいない。
ただ、現在はそっち方面に対して「前世を信じるとか信じないとかというより、前世がどうだろうと今生の人生には関係ないし影響もないし仮に知ったところで生きていく上でのこの息苦しさがどうにかなるとは思えんので別に前世が何であってもなにも変わらんしどうということも無いな」という感覚に落ち着いてる。
前世はあまり私の現世には関係ないイメージ。だって前世じゃなくて今がきついでしょ…?みんなそうでしょ…??
それはそうと そういう“スピリチュアル的なもの”が“本格ミステリ”と合わさると、こうも胡散臭さが爆裂するんだなーー おもしろ。
という気づきを得て興味深かったです。
「鍵の掛かった男」でも言及されていたように、
推理小説は『謎は解かれるもの・答えが用意されているべきもの』なのだし、そこに誰も確かめようのない“前世”なんていう「答えのない謎」のようなものを持ち出されたら、なるほど疑わしさが半端ないことになるんだな、と解釈するなどしました。
読んでいて、その妙〜な不思議な感覚も肌でずっと感じていて、なんか面白かったけど。
そしてトリックではなくて、完全に動機ありきの話運びだったなあ。
あとなんか…メタ的な要素が多かった気がするけど気のせいだろうか…笑
火村とアリスの掛け合い、いつもよりさらにくだけてる感じもしてちょっと笑ってしまう。
どんなやりとりにも緊張感が漂うイメージがほのかにあるので、今回の二人の会話は「気の置けない友人」感が強くてほっこりする。
好きな台詞たち
「自由自在に俺の言うことに絡みやがる」
「格言!?丸太に縛りつけてガンジス川に流したろか」
今作の二人の会話、常に漫才のような会話がなされてない??いつもか。
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短編集
これを読む前に有栖川長編をずっと読みっぱなしだったので、短編を久々に読んだら「おおぅライト〜〜!!キャッキャ」って感じだった。短編は読みやすくて良いですね。
でもやっぱり長編好きですが。
「トロッコの行方」が特に面白かった。
ハイなアリスと呆れ火村のやりとりにもかなり笑わせていただいた。やはり漫才。
それにしても全然推理は出来ない。それでいい。そもそも、推理してやるぜ!とも端から思ってない所為もあるけど…でもだからこそ楽しめる…!当方、完全に推理はしないタイプのミステリ読み。
「エア・キャット」は火村が猫に傾倒している話はどうしてもにまにましてしまいますよ。
当方、猫大好き人間なので… 准教授と猫の組み合わせはたいへんよき。
「カナダ金貨の謎」読んだら自動的に「スイス時計の謎」が読みたくなる装置でも付いてそうだな。(作者も「姉妹作」と発言してるし…)
スイス時計の謎はいいぞ……
「スイス時計の謎」と言えば
たまたま、本当にたまたま、この話のドラマCDなるものを中古で見つけて、めちゃくちゃ驚いたんですけど???
ドラマCDとか、あったの…?思わず買ってしまったじゃん。
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どうやら2010年発売…?
しかも声優のキャスティングが
火村英生: 神谷浩史
有栖川有栖: 鈴村健一
神坂映一: 置鮎龍太郎
三隅和樹: 藤原啓治
倉木龍記: 関俊彦
高山不二雄: 小西克幸
野毛耕司: 三木眞一郎
ほか
なにこの面子。
一流どころのオールスターキャストすぎない? っていう……
このキャスティング見て、実を言うと
火村の声に神谷浩史は、やわらかすぎるし声が高い気がするし若すぎないか??
とか思ったりしたけど、
いうて火村先生って34歳(の設定)でしたそういえば。なんか火村の声って、ものすごく渋声のイメージが勝手にあるのよな……
あと火村の声は作中で「バリトンボイス」って評されるけど、イコール神谷浩史がバリトンボイスということでいいのですか。(いまいちバリトンがどういう声質か分かっていない)
まだドラマCD聴いてないので、楽しみ怖し。
余談ですけど国名シリーズで一番好きなのは
「ロシア紅茶の謎」だったりします。
というのも、初めて有栖川作品を読んだのがこの本だったから。また読み返そうかな。
感想が長過ぎではないのか。
ここまでお付き合いありがとうございます!
それではまた。