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「死のやわらかい」鳥さんの瞼/を読んで


死のやわらかい
鳥さんの瞼


詩も短歌もほとんど読まないから
読み方が全然分からない
解釈もできない
なりに、読んでみて、
面白いなと思うところ
理解が難しいと思うところ
いろいろと出てきて興味深かった。


著者自身が
“死と水が好きです。”
と言っているからか、
タイトルに「死」を冠しているからか、
死についての短歌が多い印象。

様々なモチーフを短歌にしてあるけれど
中でも、死を身近に感じさせる短歌は
すんなりと身に入ってくる感じがする。


読んでいて、

ああ
私は
私たちは
生きているということが
それはもう様々な死たちを享受しているのだな

というようなことが、
水や匂いのようにすっと体に馴染む感覚というか。

そういえば私にとっての死は

頭の中ではとても身近で
体からはとても遠い

という感じだな…



本のタイトルでもある
「死のやわらかい」
の意味がなんとなくわかる気がする。
やさしいとか、に近いような



すごく好きな短歌は

手品師のかばんに暮らす白鳩の幻想的な就業規則

良いなあ ふふふ とても良い。


命には別状のないさみしさで一人暮らしの四年を終える

命には別状のないさみしさで
の言い回し、すごく好き。


きっぱりと枇杷の浮かんでいるゼリー美しい死後もあるかもしれない

枇杷の浮かんだゼリーを「枇杷の死後」と見て、それも美しいかもしれんと思った

って解釈したんだけども、
その感覚すげぇな ってなる。
枇杷の死後に想いを馳せるということ




第一歌集らしいので、もし第ニ歌集などが出たら読んでみたい。


ひとりごと的読書感想。

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