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「落雷はすべてキス」最果タヒ/を読んで

落雷はすべてキス
最果タヒ


やっぱり詩はむずかしいな。
どう読んでいいか戸惑っている。
解釈するものなのか、しないものなのか。
読み手はなにもかも自由なのか。

タヒさんの”エッセイ“だと、たやすく自己に変換してしまうものが多いような気がするのに、
”詩“だとそうもいかないらしい。

題材が愛や恋だから (?)
というのもあるのかもしれないけど。
しかしタヒさんが、「恋」とか「愛」についての詩を、ただシンプルに連ねるか…?という深読み思考もあったりして。
表向きは恋とか愛を使った言語で、その奥にある何かを読み取ろうとしてしまうんだが。どうなんだろう。どうなのですか有識者の方々。

やっぱり読み方がわかってないわね。
まあそれはそれで。そういうのもアリ。


でもひとつ
すごくすごく好きな詩があった。

「本棚の詩」という詩。


大丈夫だよ、
きみが読んでいる本は
きみのことをひとつも理解していないから、
安心するといいよ、
きみの孤独をよく照らす光を灯していくだけだ。
開いて、閉じて、本を。
ぼくの孤独がまばたきをしている。

この全ての本が、
ぼくのために書かれたわけではないことが、
ぼくの一番きれいな孤独。

  本棚の詩


「本はきみのこといっこも理解してない」
「安心するといい」


って言われて、
なんだか本当に、すごく安心してしまったな。
「あっ そうだよね」なんて。

あたりまえに
本というのはこっちに寄り添ってるわけでもなんでもなくて、
ただそこに在るだけ
ただ佇まってるだけ

そのことが、それだけが、
なんでこんなに安心するんだろうな。
そう
理解なんて、してくれなくていいんだよ。


そんなことを、思った。






本はただずっとそこに居て。
私が勝手に救われるから。



ひとりごと的読書感想。

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