モガディシュ 脱出までの14日間
下書きのまま放置してしまっていました。2021年本国で最もヒットした作品だそうです。
実話を基にしたストーリー
本作は当時韓国側の大使であったカン・シンソンが実体験を描いた手記小説を基にした映画とのことですが、手記小説って何ですか?って思ってしまいました。小説とついているからには一部架空のストーリーや誇張表現も含まれているのではないかなと…。それをさらに映画化なので、おそらくの事実は対立していた北朝鮮側と一緒に逃げたぐらいは実話でしょうが細かい部分は違うのではないかなと。原作の情報が全然出てこずなので、原作と映画とでどれほど違うのかまではわかりませんでした。
キム・ユンソクが演じる韓国大使がハン・シンソン、チョ・インソン演じる韓国大使館参事官がカン・テジンですので、二人の名前を合わせると原作者のお名前になるということのようです。実話を基にしているとはいえ、アクションシーンもあり、エンタメとして楽しめる作品でした。コミカルとシリアスとアクションの程よいかけ合わせは韓国映画ならではだなと思いました。
緊張感と暑さの伝わる映画
国連加入すべくアフリカ諸国の票集めを競い合う北朝鮮と韓国。韓国はソウルオリンピックで発展をアピールしたばかり、一方でソマリアは北朝鮮との関係が韓国との関係よりも長い。卑怯な手段を使ってでも韓国とソマリアの関係を邪魔しようとします。前半は韓国大使館側の右往左往っぷりがコミカルに描かれています。ところが双方の大使館メンバーが口論している最中、急に内戦が勃発。それぞれの大使館に何とか戻るも、ほどなくして北朝鮮の大使館が反乱軍に占拠されてしまいます。最初は友好国である中国に助けを求めるべく移動するも、中国大使館も既に陥落…。しぶしぶ敵対国である韓国大使館に助けを求めることに…。
平常時も暑そう~~~~~っていうのが伝わるくらい、出演者の汗の演出がリアル。それがまた、夜のシーンになると、熱帯夜のじとーっとまとわりつくような熱気が画面から伝わってくるんですよね。さらに危機が目の前に迫っているためみんな必死で、それがさらに熱気を高めている気がします。
この監督さんは…
監督のリュ・スンワンは日本では絶対に公開できないであろう韓国映画「軍艦島」を撮っていますね…。エンタメ化しすぎて韓国でも批判が高かったとか…。本作もかなりエンタメ色が強かったのですが、北朝鮮に関することはエンタメ化してもOKなんですよね。いまも休戦中で敵国はあちらなのに…。韓国と北朝鮮が協力して危機を脱するストーリーというのも、ムン・ジェインの影響か?と勘繰りたくなってしまいます。
まぁ、エンタメと政治は分けて考えたいですが、パク・チャヌクも過去にインタビューで韓国映画界の禁忌として、日帝時代の良かった面を語ることだと答えていたことから、チャレンジする監督さんはいないのでしょうね。ちなみに小説や本はあるそうなので、韓国でももっと自由な発言・創作が出来るようになれば良いなぁと切に願っています。(まぁ、その前に日本映画界の凋落ぶりをどうにかしてほしいですが)
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