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与えられたもので自分を担い 覚悟して進む

第23週 9月15日〜9月21日の記憶。 それを探る試みです。 
一年間のルドルフ・シュタイナー超訳に挑戦中です。

今週は、夏から秋へと本格的に向かってゆく“うつろい”のイメージが促されています。なぜなら、あなたがその地図をもっていないと道に迷ってしまうから…。では、自らの道を、自分の意志を持って歩んでゆくにはどうしたらよいのでしょうか?

では、読み解いてまいります。

  

 

X. VIERUNDZWANZIGSTE WOCHE (15. SEPT. – 21. SEPT.[1912])

24.
Sich selbst erschaffend stets
Wird Seelensein sich selbst gewahr
Der Weltengeist er strebet fort
In Selbsterkenntnis neu belebt
Und schafft aus Seelenfinsternis
Des Selbstsinns Willensfrucht.

Anthroposophischer Seelenkalender, Rudolf Steiners,1912




  心は表現をくりかえしながら
  自分を自覚する
  大いなるもののチカラは
  自己認識の中で循環し
  闇の中から
  意志の塊を生む


 


意志



先週は、遠き冬の眠り“死を想え”というようなキーワードがでてきました。死と向合うことで生を感じられることと、生かされている自分自身にいかに責任を持つのか、といった問いかけがありました。

そうすると、生をまっとうするための意志を、
いかに固めて、いかに貫いてゆくのかが課題になってきますよね。

そのような意志を確認するうえで、お葬式をイメージするのは、
もはや定番になってきているようです。

出所として、『7つの習慣(スティーブン・R.コヴィー著)』が有名なようです。7つある習慣の2番目に“終わりを思い描くことから始める”にそのことが詳しく記されています。下記、お葬式のシーンからどうぞ。

 あなたは会場の前方に進んで行き、棺の中を見る。驚いたことに、そこにいたのはあなた自身だった。これは、今日から三年後に行われるあなたの葬儀だ。ここにいる人々は、生前のあなたに対する敬意、愛、感謝の気持ちを表しに来ているのである。

 あなたは席に着き、式が始まるのを待ちながら手にした式次第を見る。四人が弔辞を述べるようだ。最初は親族を代表して、各地から集まってきた子ども、兄弟姉妹、姪、おば、おじ、いとこ、祖父母から一人。二人目は友人の一人で、あなたの人柄をよく知っている人。三人目は仕事関係の人。最後は、あなたが奉仕活動を行ってきた教会や自治会などの組織から一人。
 ここで深く考えてみてほしい。これらの人たちに、あなた自身あるいはあなたの人生をどのように語ってほしいだろうか。彼らの言葉で、あなたがどういう夫、妻、父、母だったと述べてほしいだろうか。彼らにとって、あなたはどのような息子、娘、あるいはいとこだったのか、どのような友人だったのか、どのような同僚だったのか。

 あなたは、彼らに自分がどのような人物だったのかを見てほしかったのか。どういう貢献や功績を憶えておいてほしいのか。その場に集まっている人たちの顔をよく見てもらいたい。彼らの人生に、あなたはどのような影響を及ぼしたかったのだろうか。

完訳 7つの習慣 スティーブン・R・コヴィー   


さて、あなたの葬儀には
だれが参列してくれるのでしょうか?
そして、あなたに向けて、何を述べてほしいのでしょう?

あなたのお葬式に参列してくれた一人ひとりの顔を想像して、
その内容を思いだしてみてください。

みな、きっと暖かいコトバを投げかけているのではないでしょうか?

あなたにとって本当に大切なものはそのコトバに込められています。それを全身にまとい、そのイメージどおりになるように意志を持ち、脇目も振らず、日々の生活をおくるべきなのでしょう。

もし、梯子を掛け違えていたら、一段登るごとに間違った場所に早く近づいていくだけなのです。(コヴィー先生、耳が痛いです…)あなたは大変器用に能率よく上手に素早く梯子を登っているかもしれません。しかし、それは本当にあなたが登るべき壁なのでしょうか?

終わりを思い描くことから始めてこそ、
それが本当の壁かどうかがわかるのです。

あなたの葬儀で述べてもらいたい弔辞を真剣に考えてみると。それがあなたがどこに向かうのか、その意志が明確になります。名声や業績を不毛な努力で手にすること、お金持ちになることなどは手段のひとつにすぎず、向かう先ではないのかもしれませんね…。梯子を掛けるべき壁が間違っているかもしれないのです。

二人の男性が共通の友人の葬儀に出席していた。
一方の男性が「彼はいくら遺したんだい?」と尋ねた。
もう一人は思慮深く答えた。「すべて遺したさ、彼自身をね」

完訳 7つの習慣 スティーブン・R・コヴィー




第2の習慣では、人生の最後を思い描き、すべての活動が自分の意志に関わっているかを測る尺度を持つことなのだと書かれています。望んでいる結果とそれに至るステップをまずは明確にするのですね。

それらを念頭におき、今日できるベイビーステップを習慣化させ、そのための一日をスタートし、ひとつでも達成すること。

人生に目的を持ち、意志を貫く活動することが大切なのです。

たとえば、あなたのお葬式で、友人に
「いつもアーティストとして生きている姿にあこがれていました。」
と述べてほしいのであれば、

今日が、生きるために余裕がない限界の一日であっても、どこかで一枚でもドローイングを遺す時間が必要なはずです。




意思、石、意志


今日、気づいたのですが、“いし”とキーボードを叩くと“意思→石→意志”の順番で変換されます。

非常に意味ありげですよね?
意思が、石のように固まり、
意志へと変遷してゆく。
そのような感じを直観しました。

意思とは、何かをしようとするときの元となる思考や心持ちという意味ですね。本人の意思に任せるとか、ぼんやりとしたいことが心に浮かんでいる状態のことです。一方で意志とは、ある物事を成し遂げようとする積極的な意欲とあります。ふわっと浮かんでいる意思よりも、目標がハッキリしてその方向に向かって行動している感じがするコトバですね。

今週の“こよみ”で使われているコトバは、間違えなく意志の方。あなたの心は表現をくりかえしながら、自分自身を自覚してゆきます。 そして、心の闇から意志の塊を生みだし、あなた自身が世界をつくりあげてゆく表現者へと成長してゆくのでしょう。




いつでも循環の中にいる



☯このようなマークをどこかで一度はみたことがありませんか?この白黒の勾玉を組み合わせたような図柄は陰陽太極図と呼ばれるものです。中国ではこれを魚の形に見立て、陰陽魚と呼ばれるそうで、 黒色は陰を表し右側で下降する気を意味し、白色は陽を表し左側で上昇する気を意味します。

陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず。というコトバがあり、陽に行き着くと陰になり、陰に行き着くと陽になります。12時のところは白が大部分を占めていますが、白の中の黒丸(=陰)が生きずいていて時間とともに徐々に広がってくるということです。

宇宙に存在するすべてのものは「陰」と「陽」という2つの属性に分けられるていますが、完全に2極化せず常に循環しているという教えなのです。

この陰陽太極図が示すように、あなたは、新しく自らを再生する大いなるものの循環にいて、常に自らをよみがえらせているのですね。

流れがよくない不安な状況でも、かならず次の展開へとサレンダーしてゆくのでしょう。逆もまた然りです。この過渡期である明け渡しの流れにのって、循環をくりかえすことから意志が育まれゆくのです。

ですから、自らの流れや循環を意識して、山あり谷あり平地ありの人生の現在地を確認しながら“自分を担う覚悟”みたいなものを固めてゆくことが大切なのではないでしょうか。

今まではどちらかというと光を感じよ!というメッセージが多かったような気がします。しかし今週は、時として闇の中に手をつっこんで、闇の中を掻きまわして、闇の中で何かとぶつかる手応えのような、抵抗感のある塊を発見するように促されているように感じませんか。

それは、大いなるものから発せられる自己認識や自己感覚といった意志に変容するものであり、本質的な生とシンクロしながら、すべてとつながるものなのでしょう。春から夏にえられた外界からもたらされたものと、内に秘められている沸立つような意志を確認しつつ、目覚めてゆきなさい。ということなのでしょう。






2024年9月コムラサキ




自分を担う覚悟



秋の気配は、揺るぎなく“実り”に向かってゆくことに気づかされます。

散歩をしていると、暑さは、まだまだ真夏のようです。しかし、自然のうつろいは、日増しに結実してゆく植物との出会いを演出してくれています。

それは、次の世代に生命をつたえてゆくために、だれの指図でもなく、あたりまえに執り行われてゆく“与えられ与える”陰陽循環の神秘。

生命は、今という時間をただ刻んでいるわけではありません。そこに、意志が組み込まれていると観ると、物事の進化が、自分が担う凜とした覚悟を持つ者たちの必然であることが垣間みられます。



あなたは、だれかではなく
きちんと、自分自身を担っていますか?



そして、何が与えられ、何を与えるのか?






シュタイナーさん
ありがとう

では、また







Yuki KATANO(ユキ・カタノ)
2024/09/15


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