中国人、不要不要は本心にあらず
親戚(夫のいとこの子供)が手土産に山ほど持ってきた
フルーツや牛乳に文句言いまくりの義父。
親戚が帰った翌日、
思い切ってわたしの疑問を義父に聞いてみた。
日本では、訪問者が手土産などを持ってきた場合、
(たとえ気に入らなくても)ありがたくいただくのが一般的だが、
中国では、本人の前であそこまで強く不要だと伝えるものなのか。
(「こんな持ってきても腐るだけ」とか・・・!)
聞いた瞬間、義父やや照れ笑い。
さすがにちょっと言い過ぎた感はあったようだ。
(義父は口が悪いので有名)
しかし義父の話によると、
自分からすると二世代下の、孫の世代にあたるような子が
たくさん手土産を持ってきたような場合、
それを何も言わないで受け取ると、
(こんな場合、「ありがとう」なんて水くさい言葉はもちろん言わない)
義父がそれを受け取って当然と思っている
というメッセージとして彼女に伝わり、
彼女は次回もまた同じような手土産を
持って来ないといけないと感じてしまうので、
こういう場合はやはり、こんなことしてくれなくていいよ、
という気持ちを表すのが思いやりとのこと。
へ~~~~~~~~。
しかし思いやりが、あそこまで激しい文句に変換されるとは
中国人の思考回路は、わたしにとって相当謎だ。
ともかく、あの手土産不要扱いは、
義父の本心ではなく、思いやりだったらしい。
だけどせっかく持ってきたものをあそこまで不要扱いされて、
彼女は気分を害したのではないか、と聞いてみると、
それはないはず、と自信ありげな義父。
あそこまで言われて?ほんとかな~?
そのあたりが、日本人のわたしの感覚としては
理解しにくいところ。
わたしは本人の前で義父が文句を言いまくるのにハラハラして、
フォローのつもりで、
「いいブドウ持ってきてくれて」
と持ってきてくれたものをほめたのだが、
中国では、こういう言い方も、時と場合によっては
微妙な意味合いを醸し出してしまうのかも。
義父の説明を聞いた後、思い返してみると、確かに、
「シャインマスカット、すごくおいしいわ~♪」
なんて言われたら、彼女にしたら、
次回もまたこういうのを持って来ないといけない、
とプレッシャーだったかもしれない。
中国では、相手の持っているもの、持ってきたものを
下手に褒めると「またほしい」というメッセージとして
伝わる可能性があるのだ。
「ありがとう」も「またほしい」と変換されて
伝わる場合があるので、要注意だ。
中国人と日本人、
似ているようでいて、いろいろ違う人づき合いの文化。
特に、贈り物に関する感覚は大きく異なり、
わたしは中国に嫁いで十数年も経つのに、
いまだに感覚として理解し切っておらず、
頭ではなんとなく分かっているつもりでも、
いざ行動しようとするとうまく振る舞えないことの一つである。
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