読書録-1
一応、参考程度に以下のように評価。
◎…再読したい 〇…人に勧められる △…それほど参考にならず ×…お金の無駄であった
1.超情報化社会におけるサバイバル術「いいひと」戦略 岡田斗司夫
〇
「いいひと」を再定義した上で、いいひとになることが情報化社会では大きなメリットがあるという話。2012年に書かれた本であるものの、2022年現在も共通する部分は多い。Amazon prime会員であれば無料で読める。
2.SFを実現する 3Dプリンタの想像力 田中浩也
〇
3Dプリンター業界では有名な田中浩也先生(慶応義塾大学)の著書。2020オリンピックの3Dプリント表彰台に関わった人。3Dプリンターの可能性についてある程度の実例を通じて記載されており、業界に携わる者なら一読の価値あり。
3.ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ (恩蔵絢子[訳])
◎
以前ハンセンの”スマホ脳”がベストセラーとなったが、同様にドーパミンと依存性について論じた本。洋書によくあるストーリー仕立てで、いくつかの患者の症例を軸に話を展開している。大麻やポルノ、嘘などに依存してしまった人達がなぜ依存したか、そしてどのように克服していったかが書かれている。スマホもそうだが、”適度に使用する必要があるもの”の克服の過程は参考になる。
4.「価格上昇」時代のマーケティング 小阪裕司
△
値下げ慣れしていない日本人(販売者)に、どのように値上げをするのが良いかを、実例をもとに論じた本。最近の物価高もあり、参考になる部分はあるだろう。若干の理想論な趣も無くは無いが、良くまとまっている。
5.どうすれば日本人の賃金は上がるのか 野口悠紀雄
×
様々なデータをもとに、日本と諸外国の比較を行い、賃金を上げるための施策案が記載されている。私の意見ではあるが少し結論に納得できない部分もあり、低金利のメリットにも(敢えてか)触れず、利上げ・円高推しである点は疑問は残った。
6.私とは何か 「個人」から「分人」へ 平野啓一郎
〇
個人を意味する"individual=分けられない"に対し、"dividual=分けられる"ものである分人を定義。人はそもそも様々な人格を内包するものであり、相手や場面で使い分けている”分人”であるとし、その前提で様々な”個人”にまつわる通説を見つめなおす本。
7.人生は勉強より「世渡り力」だ! 岡野雅行
◎
「痛くない注射針」で有名になった、その製造技術を持つ町工場の方の人生論。技術者としてのこだわりを正しく持ち技術を大事にしながらも、技術者が陥りがちなコミュニケーション不足を戒める本。技術に携わる者で、事業を成功させたいと思うのであれば参考になる部分も多いように思う。
8.起業のファイナンス 磯崎哲也
◎
よくお勧め書籍として挙がる有名な本。資金調達について、特に株に関わるトラブルや、創業期の企業価値の考え方などが記載されている。起業に携わる者、例えば起業家やVC等の投資側は参考になる部分も多いだろう。
9.GREEN BUSINESS 吉高まり 小林光
〇
次に紹介する10の本はゴミに関する知識であるが、こちらはもう少し企業にからめた内容。企業のSDGsへの取り組みアピール法や、最近のグリーンベンチャーなどが紹介されている。なんちゃって環境ビジネスを戒め、原料の輸入(運送)コストなどトータルで評価することの大事さが分かる。
10.科学的に見るSDGs時代のごみ問題 松藤敏彦
◎
北海道大学の廃棄物工学を専門としている松藤先生の本。安易に再生原料を作ればエコ、というわけではなくゴミの輸送や分別コストなど全て考慮する必要があることや、その他ごみ焼却の考え方、分別の意味などいわばゴミリテラシーを大きく向上させてくれる本。
読書録-2に続く