学習は「知識やスキルの獲得」だけではない。学習論研究からひもとく、多様な「学習観」
先日、岸田首相の「育休中のリスキリング」という発言が大きな波紋を呼びましたが、政府は個人の「学び直し」支援に5年間で1兆円もの予算を投じる方針を発表し、「学習」に対する世間の注目も高まってきているように思います。
学習論の研究者としてこのこと自体は喜ばしいなと感じる一方で、「学び」と言うとスキルや知識の習得のことばかりが語られがちな点が気になっています。
私が専門としてきた学習論においては、「学習」は単なる知識やスキルの獲得のみならず、もっと広く捉えて議論がなされてきました。しかし、「どうやって学習を支援するか」というHOWを考える前に必要な、「学習とは何か」という議論が、全然足りていないように思えるのです。
何をもって「学び」とするかは、時代とともにアップデートされ続けてきています。「学習とは何か」を深く、ラディカルに考えることは、学習において最も重要といっても過言ではありません。
ということでこの記事では、学習論において「学習」がどのように捉えられてきたのかを整理しながら、「学習観」を見直すことの重要性について書いてみたいと思います。
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