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ピッチングにおける腕を鞭のようにしならせる 「肘の角度」 解説編①

結論から言うと、「肘の角度は、約90°が理想」です。一番球速が出やすく、かつ肘や肩への負担も少ない効率的に角度になります。腕を鞭のようにしならせるには、肘の角度の習得は必須となります。鞭のような腕しなりというのは、自ら作るではなく、結果的にそうなる現象なのです。
今回は、なぜ肘の角度が約90°が理想なのかを解説していきます。

肘の角度は90°がゼロポジション

誤解が無いように先にお伝えしますが、肘の角度が約90°なのは、腕を振り始めるまでの間での話です。もちろんボールを投げる時には、遠心力で肘が伸ばされます。あくまで腕を振り始めるまでとお考え下さい。

肘の角度は90°がゼロポジションとなります。これが一体何を示しているかというと、最も腕が脱力状態になるという事です。
腕の筋肉には、上腕二頭筋(力こぶ)と上腕三頭筋(二の腕)という筋肉があります。上腕二頭筋は肘を曲げる、上腕三頭筋は肘を伸ばす為に作用している筋肉です。
この2つの筋肉が、肘の角度が90°の時に最も緩むのです。

試しに肩の高さで真横に腕を上げて、肘を思いっきり曲げてみて下さい。すると力こぶが盛り上がります。今度は重いっきり肘を伸ばしてみましょう。二の腕が硬くなると思います。そしてもう一つ補足で付け加えると、全身の筋肉には、すべて拮抗筋が存在しています。要は表と裏に筋肉があるという事です。そしてどちらか片方が縮んでいるともう片方は伸びています。
肘を曲げると力こぶが縮み、二の腕が伸ばされる、肘を伸ばすと二の腕が縮み力こぶが伸ばされるという事です。
どちらの状態も腕に余計に力が入ってしまいます。力が入っているので、しなり幅も小さくなるし、肘や肩に負担がかかり怪我のリスクが上がります。
その為肘の角度は約90°が理想となるのです。

遠心力が一番上手くかかる角度

一般的に肘の角度は、広くなったり、狭くなったりとピッチング動作のあらゆる局面でその都度変わってしまう事が多くなります。
テークバックで肘が伸びた状態で、体から遠く離れた所を大回りしてトップまで向かい、トップの位置では、ボールが頭にくっつくくらいに肘が曲がり、そしてボールを投げる時に肘が曲がったままだったり、伸びたりと肘の角度がバラバラな状態になっています。

ちなみにテークバック時に肘を伸ばして体から遠ざけて、遠心力を高めようとする方がいますが、余計な力みに使がりますので逆に遠心力は小さくなります。また力みによって伸びた肘は力みによって必ず縮みますので、結局遠心力は小さくなります。

肘の角度が狭いと遠心力の力はほぼ使えません。腕を早く振る事が出来ないので球速は出ません。反対に肘の角度が広いと遠心力が余計にかかり、関節や筋肉に余計に負担をかける為、痛みによって腕を早く振る事が出来ません。結果球速は出ません。

肘の角度が約90°の時が遠心力が一番うまくかかり、腕を鞭のようにしならせる事が出来、体に負担の無く全力で腕を振れるので最も球速が出やすい角度となるのです。

実際にやってみよう!

肘の角度

この画像のようにいろんな肘の角度でどのような違いがあるのかを実際に行い確認してみましょう。
何か固定された箇所にタオルをひっかけて、いろんな肘の角度でそのタオルを引っ張ってみて下さい。
一番上の画像は、肘の角度が広いパターンです。肘や肩に無理な負担をかけますので、タオルを引っ張ると強い力は出せますが、同時に肘や肩に痛みがあると思います。腕のしなりも最大限に使う事が出来ません。
真ん中の画像は、肘の角度が狭いパターンです。遠心力がほぼ使えない角度なので、強くタオルを引っ張る事が出来ないと思います。
一番下の画像が肘の角度が90°のパターンです。この角度が一番腕が後ろ側に倒れてしなりが作れます。かつ肘や肩の負担も少ないので、痛みも感じる事なくタオルを強く引けるのではないかと思います。

まとめ

肘の角度は、90°が理想です。なぜなら余計な力みが入らず脱力が出来る肘のゼロポジションだからです。腕を鞭のようにしならせ、力強く腕を振る為に欠かせない角度です。そして肩や肘に最も負担の少ない角度でもある為、怪我のリスクを軽減するという役割も果たします。
次回は、どうすれば肘の角度が90°になるのかをお伝えします。
どうぞお楽しみに!!

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