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ピッチングにおける腕を鞭のようにしならせる 「肘の角度」 解説編②

前回は、肘の角度が約90°がゼロポジションであり、最も腕が脱力状態になりやすい事、また肘や肩に最も負担の少ない効率的な角度である事をお伝えしました。
今回は、どうすれば肘の角度が約90°になるのかをお伝えしていきます。とても簡単です!

腕やボールの重みを余計に重くしない

まず下の2つの画像をご覧下さい。
違いはすぐにお分かりになるかと思いますが、何が違うかをお考え下さい。

テークバック時の肘の角度

上の画像は、肘の角度が約90°の状態でのテークバックです。そして下の画像は肘の角度が広くなってしまう場合でのテークバックです。
この2種類の画像では、見た目ではわからない違いがあります。
それは腕やボールの重みです。地球上にいる限り、我々の体には、重力がかかっています。
そして、その重力は当たり前ですが、真下にかかっています。真下にかかっているという事は、体の重みや扱う道具の重みと言うのは、体の中心部から離れれば離れるほど倍々に重くなっていくのです。
肘の角度が90°でテークバックした状態では、肘の真下にボール位置しています。体の近くを通る為、腕の重みやボールの重みがその重みのままになります。
余計な力みが入らないので、スムーズに体を腕を動かす事が出来ます。
しかし、肘の角度が広くなってしまっている場合、体からかなり遠ざかったところにボールが位置しています。通常の腕の重みやボールの重さよりも余計に重たい状態で扱う事になってしまいます。
すると、前回お伝えした通り、筋肉に余計な力みが入る為、腕がスムーズに動かなくなりますし、鞭のような腕のしなりを使う事が出来ません。

前腕部の内旋を意識する

前腕部と言うのは、肘から手首までの部位を指します。その前腕部の内旋を意識するとテークバック時の肘の角度が約90°になりやすいです。
こちらの画像をご覧下さい。

前腕部の外旋と内旋

上が外旋で、下が内旋です。
その上で,もう一度先程の画像をご覧ください。
肘の角度が90°の画像の前腕部が内側に捻られていませんか?反対に肘の角度が広い場合、前腕部が外側に捻られていませんか?
前腕部が内旋すると、自然と肘を広げる事ができなくなり、自然とボールよりも肘の位置が高くなります。
反対に、前腕部が外旋すると、自然と肘が広がり、自然と肘の位置がボールよりも低くなってしまいます。
この際の注意点としては、内旋に入れ過ぎるとこれもまた余計な力に繋がりますので、ほんの少し内側に捻るだけにして下さい。
内旋すればするだけ良いかと言うと、そうではありませんのでご注意下さい。

内旋して上がった腕はその後どうなるの?

テークバック時に内旋した前腕部がその後どうなるかと言うと、トップに上がり、切り返しの場面で外旋と言う動きに切り替わります。
ただし、これは切り返しで外旋を意識するという事はしません。人間の体は、その前に行われた動きと反対の動きを必ずするように作られています。
要は、内旋状態で上がっていった前腕部は、トップで切り返す時に必ず外旋します。この際、切り返して腕とボールが体の後ろ側に倒れる動作が俗に言う腕のしなりです。その後リリース時には再度内旋動作に切り替わります。

投球動作と言うのは、超高速で行われる動作なので、これらの動きを動作の途中で意識して動かす事はまず不可能です。その為、最初が肝心なのです。例えば、テークバックの最初の動きで前腕部が外旋した場合、トップで切り返しの場面に必ず内旋します。この動作の場合、腕とボールは体の後ろに倒れないので、しなり幅は小さくなります。その後リリース時に外旋すると言ったように、元の動きを間違うとその後に続く動きも間違えてしまうのです。

まとめ

肘の角度を約90°にするには、まず腕やボールを余計に重くしないで、なるべくその重さのまま扱えるようにする事です。余計な力みは動作を硬くさせます。そして思わぬ怪我に繋がるリスクを高めてしまいます。
そしてテークバック時の初動で前腕部の内旋を意識する事です。前腕部を少し内旋させるだけで、肘の角度が広がる事はありません。
そしてその後の動作では、あまり意識しない事です。後は体が自然にやってくれます。
始めの動きだけ気を付けて見て下さい。
次回は、腕のしなりの習得の為のトレーニング実践編をお送り致します。
お楽しみに!!

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