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障害者映画を観て思ったこと。

世の中には障害を題材にした映画がたくさんある。

私が好きなのは、『カッコーの巣の上で』、『ジョーカー』、『人生、ここにあり!』などなど。

最近映画を観まくってるけど、今年観た映画の中で2作品、「障害者が障害者を演じている映画」があった。

『37seconds』と『ザ・ピーナッツバター・ファルコン(原題: The Peanuts Butter Falcon)』。

どちらもハートフル要素が強く、とても大好きな映画だった。

あ、まだ公開中なので詳しくは下記へどうぞ。笑

37seconds: http://37seconds.jp 

ザ・ピーナッツバター・ファルコン: http://tpbf-movie.jp/sp/ (日本版)

どちらも主人公が障害者(前者は脳性麻痺で車椅子使用、後者はダウン症)、それを演じているのも障害者である。

障害者が出てくる映画やドラマは観たことあるけど、実際の障害者が演じてる作品って多くないと思っていて。

そもそも障害者の役者ってほとんど知らないし、需要が多くなさそう。

でも洋画を観るようになって、意外と役者で生活してるような障害者もいるんだ、って知った。

時を戻そう(ぺこぱ風)。

両作品を観て考えたことを、少しまとめてみたいと思います。

色んな考えの障害者がいると思いますので、私個人的な意見ということでご理解頂けると嬉しいです。

ちなみに私は先天性の左前腕欠損です。

障害者が障害者を演じる意味

個人的には、まず障害者を映画の題材にしている時点で、障害者を知ってもらうっていう観点では素晴らしいんじゃないかな〜と思っています。

健常の役者さんが知的、自閉、サヴァン、車椅子の障害者を演じているのはよく目にしますし、研究された演技に感動することが多いです。

じゃあ、健常者ができるのに障害者が演じるメリットってなんだろう。

私が映画を観て思ったのは、「リアリティ」「周囲への影響」があるのではないかと思いました。

・リアリティ

両者の映画では、「脳性麻痺」、「ダウン症」が取り上げられています。

もちろん多くの健常の役者さんたちが演じられていて、素晴らしい作品がたくさんあると思います。

これを本当の障害者が演じることで、上記の2作品には障害者のリアルが滲み出ていたように感じました。

下肢を引きずって歩くということも、本当は動くけど動かない演技をしているのか、本当に動かない下肢を引きずって歩いているのか、頭で考えているのか自然な動きなのか。

僕はダウン症だ、というセリフにおいても、自分自身が本当にそうなのか違うのか。

『37seconds』のHIKARI監督のインタビューでも、障害者が演じるリアリティについて語っておられました。

かわいいアイドルが車いすにぎこちなく乗って演じていても、全然リアル感が無いじゃないですか?(中略)私が作りたかった映画は、普段ある事をそのまま描写した映画。嘘はつきたくなかった。そしてスタッフ全員が私の熱意を受け取ってくれたので、この映画が出来上がりました。(引用: https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=1645 )

本当の障害者が障害者として映像の中に存在していることで、観る人に伝わるリアルさはより強くなるのではないでしょうか。

・周囲への影響

私は両方ともトークイベントがある回で鑑賞したのですが、それを聞いて障害者が映画制作に携わるということ自体が多くの意味を持つのではないかと感じました。

『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』は、主演のザック・ゴッツァーゲンが監督2人に言った言葉から始まりました。

「映画スターになりたい!」
あるキャンプに参加したマイケル・シュワルツとタイラー・ニルソン(本作の共同監督&脚本)に、一人のダウン症の青年が声をかけたのがすべての始まりでした。「それは無理」と即答したシュワルツでしたが、青年はあきらめませんでした。「だったら、君たちが僕のために映画を作ってくれよ」その前向きなキャラクターに魅力を感じた二人は、彼のために脚本を書き上げます。(引用: https://news.yahoo.co.jp/byline/kihirateruyuki/20200208-00162255/)

いやすっごいな。みんな最高だな。笑

ザックは撮影中も、海への飛込みシーンのスタントマンを断って自分でやってみたり、アルコールで問題を起こしたタイラー役のシャイア・ラブーフに本気で怒ってみたり、なかなか個性的なキャラクターだったようです。

ザックに怒られたシャイアは、自らアルコール依存症の治療を本格的に始めたという情報もあり、ザックが周囲にもたらした影響はまだまだ沢山ありそう。

障害者の感覚というものは、健常者と違うことが多いと思います。

それはきっと多くの人に刺激を与えられると思いますし、お互いが関わることで双方の理解も促進されるのではないでしょうか。

終わりに

何個かタイトルつけたら終わり方わかんなくなった。笑

最後に両方の作品の宣伝をすると、どちらも障害を美化していないっていうのが個人的にオススメ。

どうしても障害って綺麗に描かれやすいと思うんだけど、別に障害者の生活は美談になるようなことばっかり起こるわけじゃないです。

『37seconds』は障害者女性の性が題材になっているので、年頃の女の子と親の問題だったり、もちろん性関係の話だったり、障害者関係なく日常生活に転がっていそうな物語です。

『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』は、施設に閉じ込められていたダウン症の兄ちゃんが、脱走して冒険に出るお話ですね。

周りは必要以上に手をかけるんだけど、けっこう自分でなんでもできちゃうし、特有の素直さが周りを助けることだってたくさんある。やらかすこともあるけど。笑

障害者どうこう関係なくても、とってもオススメな作品なので是非観てみてください😉

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