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出来る大人のNY-フィンガーレイクスワイン

はじめに

新しい年に新しいことをしようって思っているあなた!手始めにワインなどを始めてみてはいかがでしょうか。ワインは知っていて損のない知識。欧米では教養の一部とさえ考えられています。

でも、ワイン通ならば、世の中にたくさんいる、今更遅いのではと思っているあなた、そんなことはありません。フランスやイタリアワイン通はたくさんいます。それがNYワインだったら?
どんなワイン通でも、NYワインを熟知している人はなかなかいない。そこで、新しい年にワイン通を気取るならば、ここは今、ひそかに注目のNY、それもフィンガーレイクスのワインを知って、「出来る大人」を目指しましょう。

フィンガーレイクスとは

フィンガーレイクスとはNY州の中心地、マンハッタンからかなり離れています。ここはNY州最大のワイン産地です。NYシティの中心地から車でだいたい4時間位の場所に位置しています。日帰りは少し無理そうです。例えば、東京から石川県の輪島ぐらいの距離。NY旅行の時にちょっと立ち寄ってみようというわけにはいかなさそうですが、「行ってみたい」と思わせる魅力がこの産地のワインにはあるのです。
流行の兆しの「フィンガーレイクスワインを知るうえでおさえておきたいポイントが3つあります。

なぜ、フィンガーレイクスワインなのか?

理由は3つあります。

1:たぐい稀な地形と冷涼ワイン産地

「フィンガーレイクス」はNY州最大のワイン産地です。州の約90%がこの産地から生まれます。つまり、NYワインを語るうえでは外せない場所。
この産地は「フィンガーレイクス」とい名前の通り、南北に細長く、水深が深い湖が存在します。その数11。この湖がブドウ栽培に大きく影響します。冬は-20℃以下になるとても寒いエリアです。ブドウは寒すぎると生きていけません。しかし、畑は湖面に向けて急斜面に広がっています。いわゆる湖水効果、湖の力を借りて、夏の暑さを冬までとどめておけます。つまり、冬に極端に寒くなり、霜の害から守れるのです。また、逆に夏は冬の寒さが湖の中に蓄積されているため、畑の気温を下げる役割を果たしてくれます。
土壌を見てみましょう。とても特殊です。頁岩(けつがん)土壌といわれる薄い層、とてももろい層になった土壌です。ドイツのラインガウの土壌を思わせます。これは氷河期に氷でおおわれていたことを想像させます。今でも化石が出てくる土壌、それゆえにミネラル分が豊富です。出来上がるワインにもそのミネラルを感じる、引き締まったワインが生まれるわけです。

冷涼な気候から生まれるワインは伸びやかな酸を形成し、エレガンスなワインが生まれます。決して重たくない、繊細でしなやかなワイン。飲んでいて疲れない、食事に合わせやすいワインです。なによりも冷涼エリアのワインは一昔前のボリューム感のあるワインの流行を経て、まさに今の時代のワインなのです。

2:NYワインの発祥の地-歴史的に意義ある産地

フィンガーレイクスは南北戦争の時代からワインが造られていました。しかし、禁酒法時代、ブドウはワインでなくジュースに変わりました。今もこの土地ではジュース用ブドウが多く栽培されています。そしてジュースに使うブドウとワイン用のブドウは違いがあります。かつてはジュースに使われるヴィティス・ランブルスカ種がワインにも使われていました。アメリカ原種のブドウです。しかし、これは残念ながらワインにすると香りがあまりよろしくない。ヨーロッパ系の品種を使うほうがずっと香り高く美味しいワインができるのです。そこに、1962年、ウクライナでブドウ栽培のプロだったコンスタンティン・フランク博士がアメリカにやってきて、ヴィ二フェラ種の栽培を実現させます。実現といっても簡単なことではありません。彼はこの土地で12品種を58の台木に接ぎ木し、9種類の土壌にうえ、毎年経過をみました。つまり、6.264種。血のにじむような努力です。そして、1957年、ついにヨーローッパ系品種のリースリングとピノ・ノワールのブドウの収穫に成功させましたNYワインの歴史をかえた舞台がここフィンガーレイクスなのです。実際にほかのエリアに比べてヴィ二フェラ種の栽培面性がもっとも広い産地です。簡単に美味しいワインができたわけではない、歴史を変えてきた産地、それがフィンガーレイクスです。

3:世界の名だたるソムリエのふるさと

フィンガーレイクスにはアイビー・リーグの一つ、コーネル大学があります。この大学とNY州は提携し、良いワイン造りの研究が行われています。品質向上のために州政府が全力を注いでいる産地ということになります。

また、アイビー・リーグで唯一、ホテル経営学部があります。それがHotel School of Administration。ここは世界のトップ1として知られています。このことはフィンガーレイクスのワインにとって大変有利です。

世界の一流ソムリエ、ホテル関係者はここで学んでいます。例えば有名なところでは星野リゾートの星野社長、世界的に有名なレストラのソムリエなどもここの出身です。

自分たちが学生時代に飲み親しんだ大学の近くで造られるワインやワイナリーには格別な思いがあるはずです。それをプロになって働くときに取り入れないわけがありません。近年、品質向上が著しいとなれば、絶対に自分の店のワインリストに入れたくなります。宣伝しなくても世界中の卒業生が広めてくれるわけです。現在、世界で活躍するソムリエさんやホテル、飲食関係者の後押しがあって、さらにパワーアップしている、それがフィンガーレイクスのワインなのです。

それでは、さっそく試飲してみましょう。まずは白からです。

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テイスティング1 白ワイン リースリング

Semi Dry Rieslig /Dr. Konstantin Frank
品種:リースリング 100%
VT:2017年
残糖:22g/ℓ
価格:3500円

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あの、ヴィ二フェラ種の栽培に成功したフランク博士が造ったワイナリーのワインです。現在は4代目のメーガンさんがやっています。彼女はコーネル大出身のエリート。このワイナリー、第2世代はスパークリングを、第3世代はサーモン・ランというヒット商品を生み出しました。各世代が代表作を造り出している中、4世代目として今後どんなワインを造っていくのかとても楽しみです。

さて、テイスティングしてみましょう。外観は淡いライムイエロー。緑の色味も取れます。レモンやライムのような柑橘類を思わせるフレッシュな香りとともに小さな花が何本も束になった花束を思わせる香り。そしてそこに蜂蜜のような甘い香り。口に含むとみずみずしくてとてもしなやか。そして、甘酸っぱい。この甘さは仕事の疲れを一気に忘れさせてくれます。余韻にはかすかな苦みも感じられ、甘いだけではない奥深さも見て取れます。

甘みだけだと口中で甘ったるいだけにしか感じないのが、芯のしっかりした伸びやかな酸の働きでこの二つが見事にバランスが取れています。甘酸っぱいという味覚はなんだか気恥ずかしい感じ。はじめて恋したときのような感じです。

ワイン名にあるセミ・ドライはドライでなくてセミ・ドライ。これはどんな基準なのかというと単に残糖度だけで決められているものではないのだそうです。糖度と酸味の割合で甘辛度合いが決められます。世界リースリング協会がきめているものだそうで、大変興味深い基準です。

Riesling Sugar Guidelines - International Riesling Foundation (drinkriesling.com)


次に赤ワインを飲んでみましょう。

テイスティング2 赤ワインーカベルネフラン

あか


Cabernet Franc/Keuka Lake Vineyards

品種:カベルネ・フラン 
VT:2018
価格:4.800円

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この品種は主にフランスのロワール地方で有名です。日常的にワインを飲む人でもカベルネ・フランという品種を積極的に飲んでいる人はあまり聞いたことがありません。しかし、このワインに出会って、カベルネ・フランは「これからのワイン」だと強く思わせてくれました。沢山の魅力にあふれたワインであり、絶対に飲むべきワインなのです。

現代の私たちの食事はライト化しています。カロリーが高いお料理よりもカジュアルで軽く食べられる料理へシフトしているのは日本のみならず世界的な傾向です。健康志向というものが特別でなく日常化した証でもあります。

また、おうち飲みも定着しつつあります。コロナ渦で拍車がかかっています。平日の夜、仕事の後にワインを夕食時に一杯、自宅で楽しむ方も増えてます。仕事で疲れた身体にフルボディのタンニンがしっかりしたワインはなかなかきついものがあります。身体が拒否してしまいます。

疲れた身体には優しいワインがいい。そっと寄り添って癒してくれるような「薄旨ワイン」がいい。まさにそれがこのワインです。

香りからは独特の緑のトーン、俗にいうピーマン香がやってきます。ワインをかじったことがある人ならば、香りですぐにこれがカベルネ・フランだとわかるはず。口に含むと、涼やかで若々しく透明感を感じる果実味に心を奪われます。フレッシュで、クリーンであると同時に、ほのかに感じるきめ細やかなタンニン。これがまた妙に心地よい。香りの強烈な印象からは押しの強いワインに思えるけれど、実際に飲んでみるとかわいくて軽快な味わい。さらには独特のうまみを感じます。「薄旨」という言葉がぴったりです。このうまみ、和食に合わせたら絶対に美味しいはず。合わせる料理をついつい頼まれてもないのに考えてしまう、そんなワインです。


まとめ

どちらのワインにも共通しているのがNY産というおしゃれな生まれでありながら、決して激しい自己主張はしてこない。静かにそっと寄り添ってくれるワインです。

カリフォルニアワインのような味わいの強さや派手さはなく、やや地味ではあるけれど、どこかおしゃれ感が漂っている、優しさを秘めているワイン、それがフィンガーレイクスのワインです。地球温暖化が進む中、ワインの産地も北へ北へと移ってきています。これから注目の産地であることは間違いなしです。

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新しい年、新しいことを始めたいと思ったら、NYワイン、フィンガーレイクスワインをぜひとも飲んでみてはいかがでしょうか。

「知る人ぞ知るワイン」ですから、ちょっとでもうんちくを語れたならば、貴方はすごく「出来る大人」だと思われること間違いなしです!


NYワインの購入先はこちらへ:「GO-TO WINE」




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