![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156468878/rectangle_large_type_2_fac5a19dc5134a8a173d39cf495a418b.png?width=1200)
【書評掲載】宇田川元一『企業変革のジレンマ ―「構造的無能化」はなぜ起きるのか』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1140号
今年度4月より、産労総合研究所が発行している専門誌『企業と人材』の書評コーナーの連載を担当することとなりました。
『人と組織の力を高める人材開発情報誌』である本誌ですが、『人を活かす組織づくりのヒント』と題して毎月、関連する書籍を紹介しております。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156319588/picture_pc_cfdde4a88ac591e10b71501bfacfab57.png?width=1200)
『人を活かす組織づくりのヒント』を提供する書籍として今回、取り上げたのは宇田川元一著『企業変革のジレンマ ―「構造的無能化」はなぜ起きるのか』(日本経済新聞出版社)です。
日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞を受賞した『他者と働く』(NewsPicksパブリッシング)、「組織の慢性疾患」に陥った組織を動かす対話の方法2on2を紹介した『組織が変わる』(ダイヤモンド社)の著者の最新刊である本書を、連載第7回目に紹介させていただきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156317130/picture_pc_2ea3d6df132461bd120d4eb12643b27a.jpg?width=1200)
『企業と人材』は毎月5日に発行予定ですので、書評コーナー以外もぜひ手に取ってご覧ください。
以下、今回取り上げた『企業変革のジレンマ』の書評記事を読み進める上での補足情報を紹介できればと思います。
著者:宇田川元一氏について
『企業変革のジレンマ』著者である宇田川元一さんは現在、埼玉大学経済経営系大学院准教授を務められています。
2019年10月にNewsPicksパブリッシングから出版された宇田川さんの一冊目の書籍『他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論』は日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞を受賞しました。
本書の出版に際し、宇田川さんはNewsPicksパブリッシングのnoteにて本書に関する連載をされていました。
また、この『他者と働く』にて、宇田川さんにとってのキーワードである「対話(dialogue)」及び、「対話(dialogue)」を進める上で重要な洞察である「技術的問題」(technical problem)と「適応課題」(adaptive challenge)が紹介されました。
既存の方法で解決できる問題のことを「技術的問題」(technical problem)、既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題のことを「適応課題」(adaptive challenge)と定義したロナルド・ハイフェッツは、ハーバード・ケネディ・スクールで25年間リーダーシップ論の教鞭をとり、「最も影響を受けた授業」に選ばれ続け、IBM、マイクロソフト、マッキンゼー、世界銀行などのアドバイザーも務める人物です。
2021年4月にはダイヤモンド社より宇田川さんの2冊目の著書である『組織が変わる―行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2on2』が出版され、同時期に同氏は日本の人事部が主催する「HRカンファレンス2021-春-」にて登壇されています。
また、このタイミングで『日本企業は「組織の慢性疾患」に陥っている』という『企業変革のジレンマ』に通じる洞察を紹介されていました。
「組織の慢性疾患」とはそもそもどういったものか?
「組織の慢性疾患」を寛解へ導く2on2という対話手法はどのようなものか?
このような点に関しては、以下の連載でも語られています。
そして、2024年6月。氏にとって3冊目の書籍である『企業変革のジレンマ』が日本経済新聞出版社から出版されました。
出版するまでに3年半近くの時間を要し、また、「私の25年間の研究の全てを、全身全霊をかけて企業変革という軸から書きました。」というメッセージが込められている本書。
この、渾身の書籍の出版に際しての思いを綴られた宇田川さんのnote記事も以下に公開されております。
以上、『企業変革のジレンマ』出版に至るまでの流れを本当に簡潔ではありますが、追ってきました。
上記のようなプロセスを経て『企業変革のジレンマ』が出版されたという流れを追うことで、本書を読み進める上での文脈整理や前提共有につながれば幸いです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157178004/picture_pc_fa01f863e88451ee0a482fb105c88b41.png?width=1200)
人材開発情報誌『企業と人材』とは?
『企業と人材』は、株式会社産労総合研究所が発行している『人と組織の力を高める人材開発情報誌』です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156317201/picture_pc_153d12e53f7111e7658c104a1d7b2538.png?width=1200)
発行元である産労総合研究所は、1938年(昭和13年)に創設された労働問題の民間調査機関『産業労働調査所』を前身とする出版社・民間シンクタンクです。
『企業と人材』は1968年(昭和43年)に『社内報新聞』として創刊され、その後『社員教育』、『企業と人材』へと改題を重ねながら、2013年2月に第1000号が発行されました。
産労総合研究所は『企業と人材』の他、『賃金事情』『労働判例』『労務事情』『人事の地図』といった人事労務分野だけではなく、『病院経営羅針盤』『医事業務』など医療介護経営分野における出版を中心に、同分野での調査研究・提言を行っています。
各誌の定期購読・試読・web見本誌の申し込み、見積書ダウンロード、バックナンバーの確認等は、各誌のリンク先のページをご覧ください。
さらなる探求のための参考リンク
「企業変革のジレンマ」をいかに克服するか(連載第1回)
【企業変革のジレンマ】「何が問題か分からない」を乗り越えよう
宇田川元一先生に訊く「企業変革のジレンマ』」をどう乗り越えるか
産労総合研究所【公式】|YouTube
人事メディア情報(企業と人材)|『日本の人事部』
書評掲載バックナンバー
エイミー・C・エドモンドソン『恐れのない組織』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1134号
鈴木規夫『インテグラル・シンキング―統合的思考のためのフレームワーク』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1135号
ブライアン・J・ロバートソン『[新訳]ホラクラシー―人と組織の創造性がめぐりだすチームデザイン』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1136号
ウィリアム・ブリッジズ『トランジション マネジメント─組織の転機を活かすために』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1138号
中田豊一『対話型ファシリテーションの手ほどき』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1138号
池田めぐみ、安斎勇樹『チームレジリエンス―困難と不確実性に強いチームのつくり方』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1139号
いいなと思ったら応援しよう!
![大森 雄貴 / Yuki Omori](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106531099/profile_9cd43e4ceaef869c6a35bbb52b5358ee.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)