新書を読んでみよう!
こんにちは、Yukiです。
新型コロナウイルスの感染が拡大してから早くも2年が経ちました。その間、様々なことが起きましたが、その1つが独学に対する注目が高まったことだと思います。
そのきっかけは、読書猿氏の『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が発売されたことではないでしょうか。
現在では20万部を超え、電子版のみですが公式副読本も発売されています。この本の発売をきっかけに独学への注目が高まったことで、岩波書店は独学フェアを開催しました。
岩波書店が述べているように、新書は独学に最適な本だと思います。そこで今回の記事では、新書について簡単に解説したいと思います。
新書とは何か?
そもそも新書とは何かについてですが、wikipediaではこのように説明されています。
新書(しんしょ)とは、新書判(173×105mm、およびそれに近い判型)の叢書・本である。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、いろんな本のうち、新書という種類の大きさがあり、それが173×105mmであるということです。ただこれはあくまで大きさについて述べているだけで、中身には触れておらず不十分です。
そこで僕なりの新書の定義を示せば、次のようになります。
新書とは、その分野の専門家が、専門的な知識を一般向けにコンパクトかつ平易な言葉で解説した本。
あくまで僕なりの定義であることにご注意ください。
新書の歴史は古く、さきほどのwikipediaの記事を見てみると、一番最初の新書は岩波書店から1938年に刊行されています。現在では、岩波新書を始め、中公新書、講談社新書、ちくま新書、光文社新書、集英社新書、平凡社新書など多数刊行されています(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。
新書の良さ
先ほど新書の定義として、「その分野の専門家が、専門的な知識を一般向けに平易な言葉で解説した本」と書きました。ここから新書の3つの良さが引き出せると思います。
1つ目は、執筆者がその道の専門家であるという点です。そのため、内容には一定の信頼性が保障されています。
2つ目は、専門的な知識がコンパクトにまとめられて書かれているという点です。ある分野の専門的知識はとても奥深いです。それを著者がなるべくギュッとまとめてくれています。
3つ目が平易な言葉という点です。一般的に専門的な知識というと難しい言葉や概念が使われている、と思われ忌避されがちです。新書では、その分野特有の概念や言葉を丁寧に解説してくれています。
こうした新書の良さから独学には最適だと僕は考えます。
新書の注意点
ただしそんな新書も万能ではなく、注意点があります。
まず新書の特性上どうしても入門書という位置づけになりがちです、なぜなら専門的な知識というのはとても奥深く、1冊読んだだけでは到底みにつくことはないからです。
専門家である著者がそれを考慮してくれた上で、なるべく全体像をコンパクトに解説しようとしてくれています。となると、どうしてもこぼれ落ちる部分がたくさんあります。したがって新書はあくまでその分野の入り口であるということに注意が必要だと思います。新書を読んでその分野についてもっと知りたいと思ったら、是非とも他の本を読むことをオススメします。
新書の執筆者がその分野の専門家と言いましたが、そうではない新書もあります。また、ツッコミどころの多い新書やいわゆるトンデモ本もあったりします。
どの新書を読んだら良いのか?
このように新書と言っても限界があり、玉石混交、良い本もあればそうではない本もあります。ではどのようにして新書を選んだら良いのでしょうか?
先日このようなツイートを見つけました。参考になると思ったため引用します。
僕も大体このような考え方に同意です。まず間違いないのは、中公新書および岩波新書です。この2つの新書は執筆者をしっかりと選定した上で出版しているという印象があります。ただしこの2つの新書では敷居が高いと感じる人もいるかもしれません。
そんな人にお勧めしたいのが、岩波ジュニア新書およびちくまプリマ―新書です。これはその道の専門家が中高生向けに書いたものです。中高生向けだからといって侮ってはいけません。中高生にも分かるよう、だけれど専門的な知識のエッセンスを失わないように専門家が執筆しています。そのためかなり読みやすくなっており、大学生および社会人の人が読んでもタメになります。
まとめれば、中公新書と岩波新書は間違いないです。しかしハードルが高く感じる人は、岩波ジュニア新書とちくまプリマ―新書から始めると良いと思います。
新書の探し方
ここまで僕なりにですが、新書についてあれこれ述べてきました。とはいえ、新書の数は膨大で何を読もうか悩む人もいるかも知れません。
そんな人に朗報です!
「新書マップ」というサイトがあります。
このサイトは新書に特化して、様々なテーマが用意されており、なかつそのテーマに沿った新書を提案してくれます。そのため、比較的簡単に読みたい新書を見つけることが可能です。
僕はつい最近このサイトを知りました。試しに何度か使ってみたのですが、使いやすくとても良いサイトです。もし見つけるのに困ったら、是非とも使ってみてください。
個人的オススメ新書
最後に僕個人がオススメする新書を何冊か紹介して、終りにしたいと思います。お役に立てれば幸いです。
以前記事にもしましたが、この本はとてもオススメです。日本の会社の仕組みがとても良く分かる本です。例えばなぜ年功賃金制なのか、なぜ新卒一括採用なのか、諸外国と日本の仕組みはどう違うのか。あまりにも当たり前で見過ごされていますが、本書を読むことで会社の仕組みが良く分かります。
よく保守、リベラル、右翼、左翼という言葉を耳にしますが、その中身を本当に理解している人はどれほどいるのでしょうか?そんなに多くないのではないか、と僕は思います。本書を読むと、今言われている保守ともともとの意味での保守が全く異なることが良く分かります。
コロナ禍において、僕たちは科学が日常に深く入り込んでいることを実感させられました。それだけ科学の恩恵を享受しているにも関わらず、一方で科学に対する不信感が募っています。特にワクチンを取り巻く不信感は典型的でしょう。筆者は、アメリカを舞台に科学不信の実態を取材しています。その結果たどり着いた結論が、そもそも人間は科学が苦手なんじゃないか?というものです。とても面白いです。
本書では、学校にまつわるあれこれが対談形式で収録されています。昨今、何かと話題の学校ですが、どのように考えたら良いのかヒントがちりばめられています。