スライディングと足首

引用元
https://www.google.com/amp/s/thedigestweb.com/tennis/detail/id=31379%3fmobileapp=1

(ジョコビッチ選手のお家芸、
オープンスタンスでのカウンターショットですね)

今回のテーマは、オープンスタンス(スライディング使用)時の足首です。


そもそもスタンスって何?



テニスのストロークおいてスタンスとは、ボールにどう入るかの足パターンのことです。
種類は三つで、
①クローズドスタンス
②スクエアスタンス
③オープンスタンス
があります。
それぞれ見ていきましょう。

引用元
https://www.google.com/amp/s/www.dailymail.co.uk/sport/tennis/article-3420104/amp/Andy-Murray-big-backhand-Milos-Raonic.html

①クローズドスタンスです。
これは主にバックハンドで使うことが多いですね。
まず打球に対して後ろ足を合わせてから、前足を斜めに出していき体重移動を利用してインパクト。
バックハンドでは打点の幅がフォアよりも狭いので、ボールとの前後距離合わせとして使用することが多いです。

フォアハンドでの使用頻度は低めで、あえて使うとすれば、相手のボールが浅く来た時でしょうか。
また、球出しのような勢いのないボールへ推進力を与えるために、前へ体重移動して打つ時ですね。

引用元
https://www.youtube.com/watch?v=TEoT8Q83d2Y

②スクエアスタンスです。
①クローズドスタンスとあんまり変わらないです。
違うのは前足を真っ直ぐ出していくことですかね。

あ、①②はスライスを打つ際には必須の足です。
スライスに関しては、身体が開いた瞬間コントロールが効かなくなりますので。

(引用画像が全くなかったのでyotubeからお借りしました)

引用元
http://cpta-tennis.org/rafael-nadal-86-esp-and-his-forehand-lasso-finish-uncovered/

③オープンスタンスです。
これは前述した①②と違い、前足への体重移動は出来ません(オープンスタンス軸足は後ろ足のため)。

現代テニスにおいて行われるラリー戦では、約80%以上がオープンスタンスを使う言われています。

理由は単純で、①②のように前足を踏み込む時間がないためですね。
やり方もシンプルで、後ろ足をボールに合わせつつ重心を乗せて、軸を作るだけです。

西岡選手の足に注目して下さい。
最初の6球がオープンスタンスの入り方になります。
後半は、これってクローズドスタンスじゃないの? スクエアスタンスじゃないの? と疑問が湧くと思うので、一旦無視して下さい。


オープンスタンスで重要なこと

これは、『必ず後ろ足に軸が作られること』です。

先ほどの西岡選手のように、後ろ足軸を起点にショットを打ち出すのが、オープンスタンスですね。

この一点をしっかり頭に入れて頂いて、次へと進みましょう。


スライディング中の荷重


引用元
https://www.google.com/amp/s/www.latimes.com/sports/story/2022-03-09/novak-djokovic-wont-play-in-the-bnp-paribas-open-at-indian-wells%3f_amp=true

僕らが日本でテニスをプレーする場合、多くはオムニコート(人工芝に砂入りのコート)になります。

ここはめちゃくちゃ滑ります(物理的に足が)。
止まろうにも止まれなかったりがよくあります。

それでいて変に踏ん張ると転けてしまい、最悪足首の捻挫に発展しかねません。

ジョコビッチ選手の画像はハードコートですが、注目して欲しいのは右足首と左足首の関係です。

彼はスライディングする時に、(この画像の場合)左足のソール内側をコートに擦っていると思います。

これが何を示すか?

『"スライディング中"の荷重は、左足には一切ない』

ということです。
であればスライディング中の荷重は、"右足"へと掛かっていることが分かりますね。


右足への荷重で気を付けて欲しいこと


右足がスライディング中の荷重を背負っているわけですが、ここで本当に気を付けて欲しい重要なことがあります。

いくらオムニコートであっても、

『"右足裏の外側"に荷重を掛けたら止まってしまう』

という事実です。

「止まるならいいじゃん」

いいえ、その止まり方が問題になるのです。
しかも"止まりたくて止まる"のではなく、この場合は"意図せず急停止"してしまうのです。

一歩間違えればズベレフ選手のように、足首の靭帯断裂へと繋がる危険性があります。

引用元
https://www.rolandgarros.com/en-us/article/rg2022-semi-final-nadal-zverev-injury-report

奇跡的な偶然で回避できましたが、僕自身もほんの数回だけ、危ないシーンがありました。

テニスに捻挫はつきものだと話される方がいますが、コート環境が悪いか、やむを得ず人との接触を避けようとした際か、スマッシュ中にボールを踏んづけてしまった以外での捻挫は、その方のフットワークに問題があると思っています。

画像は貼りませんが、ズベレフ選手の場合、コート環境が蒸し暑いサウナのようになっており且つ疲労が溜まる中で常に集中を求められていたため転倒に繋がった、と考えるでしょう。
しかし彼は以前からフォア側のフットワーク(オープンスタンスへの入り方)の危なっかしい場面が見られていました。

捻挫へと"繋がってしまう"スライディングやオープンスタンスの場合、必ず"軸足裏の外側"で着地しています。
そして急停止により傾いた身体を、"軸足首の外側"だけで支えようとします。
ここまで話せばもうお分かりでしょう。

テニスシューズの"アウトソール外側"(ほぼ側面に近い部分)というのは、本来地面に触れません。

引用元
https://www.clad.com/wilson-glide-tennis-shoe/

ウィルソンで販売されていたGLIDEと呼ばれるシューズの裏面になります。
左足ですので、バックハンドのスライディングで考えてみます。
コントロールパネルと呼ばれる白い半透明な箇所で、スライディングを調節します(但しこの靴はハードコートでのスライディング練習用)。

パネルの位置は、こちらの裏面から見て、大体中央からやや右側くらい。
つまり、スライディングで使う場所はせいぜいそのくらいの位置にあり、完全な外側というのは使わないということです。
"滑るため"にはやや外側くらい、と認識しましょう。

そして、"止まる"場合に使う箇所は、外側ではなく内側を使用します。
決して外側で止まろうとしないで下さい。
意識的に外側を使ってしまうと、地面に設置した状態ならまだ堪えられる可能性はありますが、一旦空中へと飛んでから着地した場合に100%足首を捻るのが確定します。

引用元
https://www.google.com/amp/s/www.nytimes.com/2021/07/03/sports/tennis/wimbledon-forehand-slice-squash-shot-federer.amp.html

(この場面の右足、もし着地時に足裏の外側を使ってしまったら……? 気になる方は椅子に座って足を浮かせ、同じようなポーズを取りやってみて下さい)

余計に危機感を煽っても仕方ないですよね。
今回の結論としては、

『スライディング又はオープンスタンス時に、
"止まる"、"着地する"動作をしたい場合は、
"軸足裏の外側"は絶対に使わないこと』です。


終わりに


事前に防げる怪我であれば、なるべく全て予防していきたいですよね。

少し不快になる表現を含む箇所があったかもしれません、その方にはこの場にて謝罪させて頂きます、申し訳ありませんでした。

しかしテニスというスポーツを楽しくプレーするためには、危険性のある動きを把握することも大切にな務めではないかと、一プレイヤーとして僕は考えています。

たとえ趣味であっても、無くせる怪我は無くしていきましょう。

では、この辺りで。

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