依頼と先生
何もない日は本当に何も起きないのに、
何かある日は必ず何かが重なる気がする。
今日は会社を退職して初のお仕事をもらえるかもしれないチャンスの日だった。
打ち合わせ相手は、大学が同じだった女性で不動産のお仕事をしている。
打ち合わせの時も仕切りに代表から電話がかかってくる感じを見ると、とても優秀な女性なのだろう。
いわゆるバリキャリだ。
彼女からの依頼内容はかなり抽象的なものだった。
正直出来るか謎な案件だが、バリキャリの彼女の情熱に感化され、まだ正式案件にはなってないが、お試しでやってみることにした。
一生懸命な人に私は弱い。
お金はないが、時間だけはある
と自分を奮い立たせていると、
5月から通う学校の先生から連絡があった。
東京からこちら(地方)に来ているらしく会いたいとのこと。
マジか。心の準備が足りない。
いきなり会うとは、面談?
何を見られるのだろう。
と不安になりながら、打ち合わせを終え、先生と会うことになった。
先生は自前のバスを持っていて、そのバスで全国を行き来している。
バスは目立つのですぐにそれが先生の車だとわかった。
バスの入り口が空いていて、先生がいた。
中に通され、先生がお茶を入れてくれた。
ごっつい濃いお茶で、アルコールをのんでるみたいな満腹感がある高級茶だった。
気まずい雰囲気の挨拶から始まり2時間はバスにいただろう。
先生は宇宙人のような人だった。
世の中を別の角度から見る、情熱的な人だ。
2人でお茶をのみながら、授業内容や進め方、今までの人生なんかを話した。
通りすがりとはいえ、
わざわざ生徒に会いにくるなんて、
ドラマのような熱血先生じゃないか!
と感動しながら話を終え、帰路についた。
濃すぎる1日に頭がクラクラした。
明日はぜったい、何もしないと決めた。