漆6:漆の成分

おはようございます。
今日はうっすら雲が残っているけれど、久しぶりの晴れ。ベランダの植物たちもその柔らかい陽射しを浴びてより一層葉を大きく伸ばしそう。

さて、今日は漆の成分を見ていこう。
漆液は油性成分であるウルシオール、その他多糖(ゴム質)、糖タンパク(含窒素物)、ラッカーゼ、水からなる複合材料。良質な漆は、ウルシオール量が多く、ラッカーゼの活性があり、乾燥の早い漆とされる。 漆液の採取量と成分組成は、木の成長や採取時期などにより大きく変わってくる。

ウルシオール

漆はウルシオールという樹脂分が主成分で、その他に水分、ゴム質、酵素などを含む。この成分の割合は採取される国によって異なっていて、そのままそれぞれの漆の性質の違いになっている。例えば、日本とベトナムで採取される漆では、主成分のウルシオールの割合が日本の漆が2倍ほど多くなっています。一方でベトナムやタイなどでも採取される漆はどちらかというとゴムに近い。このため、下塗りや補強材としては利用できるが、蒔絵などには使えない。
ウルシオールを主な成分とした漆が取れるのは地球上で現在のところ、中国、韓国、日本だけなのだ。日本で使う場合、日本の漆の品質が最も良い、とされるのは、元々日本の気候や風土にあった成分の漆が採取され、その素材を活かした形で漆を濾過・精製して漆器が作られているからだろう。

ラッカーゼ

漆の主成分はウルシオールだが、硬化する際に働くのはラッカーゼという酸化酵素。漆自身が傷ついた時、空気中の酸素を取り入れてウルシオールの固まる作用の触媒として働く。一度固まった漆の塗膜は強固で空気中の酸素が入り込めない結果腐食を防ぐ。また酸やアルカリにも強い。
漆の弱点は紫外線で、塗膜の光沢低下、白色化、ひどい場合には亀裂などが生じる。だが、表面の劣化した部分を取り除いて塗り直したり、健康な塗膜を研ぎだしてあげれば長く使うことができる。(なので、生産者に近いところで購入するのがいいだろう。)

ポリフェノール

漆の木は多くのポリフェノールを含んでおり、漆の木の内部が黄色い色をしているはポリフェノールの成分が原因。
漆材のポリフェノール成分には、抗酸化性や抗菌性など有用な性質がわかっている。具体的に、黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、O157やカビなどに(なんならコロナにも)対しての抗菌作用があることが研修で証明されている。(うるし振興研究会調べ)
また、ウルシ材成分の利用として、岩手県二戸市浄法寺町ではウルシ材による織布の染色「漆染め」が行われている。この漆染めは、ウルシ材ポリフェノール成分の良好な染色性を活かし、優しい茶色の染め物が作られている。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

http://www.forest-akita.jp/data/2017-jumoku/100-urushi/urushi.html#:~:text=%E6%9E%9C%E5%AE%9F%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%82%86%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%84%E3%82%84,%E3%81%A6%E5%92%8C%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%AF%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%81%86%E3%80%82

https://www.yamakyu-urushi.co.jp/shikki/233_236/


日本では自然界の恵みが生み出した漆を日常の生活の中、特に木造家屋が多かったことで柱や床、家具や食器などに多用し、それを大事に使い続けてきた。そして人間だけでなく、自然界でもツキノワグマやニホンジカが漆の木で爪を研いだり体を擦り付けたり葉を食べたり、セミなどは漆の葉の裏側に脚を差し込み体を固定して脱皮したり。
日本の国土で、その独自の性質のために様々な生き物に愛されているの漆のようだ。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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