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地元開拓旅行【築地編③】

旅行に行けない代わりに地元開拓探検、結構気に入って今回が第3回目。

今週は築地 木村屋さん(正式には築地 木村屋 ペストリーショップ本店)。
明治43年(1910年)に、あんぱん発祥の銀座木村屋より暖簾分けして以来築地のパン文化を培ってきた名店。
今回こちらを選んだ理由は、こちらの築地 木村屋さんが今週6/17(木)を持って111年の歴史に一旦幕を閉じられたから。

建物の老朽化に加えて、築地市場移転とコロナによる売上の低下が要因との事。
正面から見ると顔の様なデザインの建物や絶妙なワーディングの看板など時代を乗り越えてきた風情が築地らしさでもあったのだけど、並びの家屋が建て替わった今を思えばこれも時の流れの避けられない成り行きか。

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本家銀座木村屋よりも2回りほど大きなあんぱんを、桜や極上栗、クリーム、いちごなどバリエーション豊かに展開。1番の売りである罌粟(ケシ=ポピーシード)あんぱんは、こしあんと粒あんとが選べるこだわりよう。
また、甘いものがあればしょっぱいものも欲しくなるのは人の常。もれなくそのニーズを満たしてくれる惣菜パンの雄は牛すじ玉ねぎカレーパン。
本家が酒粕を使っているのに対して、ホップを使用して酵母を一晩熟成させたふんわり生地の中に、あんこやカレーそれぞれ素材の味が濃縮された中身とがバランスよく、一口目から最後まで飽きずに食べ進められる。
個人的には、ココア風味のドーナツにホワイトシュガーを塗した、食べたら止まらなくなるその名も『デビルスドーナツ』もアイスカフェラテのお供に最高で、お気に入りだったなぁ。

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写真は春に食べ損ねた桜あんぱんと、牛すじ玉ねぎカレーパン。(罌粟あんぱんは買ったその日の3時のおやつに消えました。)桜あんぱんのあんこの下にある半透明な部分は求肥で桜餅みたいな、一口で二味堪能できる桜好きには贅沢でたまらない逸品。

『街のパン屋さん』と呼ぶには贅沢な、歴史とこだわりに裏打ちされた安定の『いつもの』がなくなってしまうのはやっぱり悲しい。
またこの味を楽しめる日が来るのを待ち望みつつ、いただきます。


皆さんの、明日から始まる一週間が、地元の名店のいつもの味で満たされる、変わらない幸せが詰まったものになります様に。


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