金10:金の加工技術(彫金)
おはようございます。
今日はバケツをひっくり返したような雨で、雲だけでなく水飛沫が街を覆うような遠くが霞んで見える。
さて、金属が持つ「熱すると溶ける」「たたくと薄くのびて広がる」という特徴をうまく生かしてつくられる工芸品、金工。その制作工程の鋳金、鍛金、彫金の3つの技術のうち、今日は最後の彫金を見ていこう。
彫金
金属の表面に鏨(たがね)という特別な刃先のノミを使って、様々な形の模様を線で彫ったり、掘った部分に別の金属を埋め込んだりするもので様々な技法がある。
彫り
金属の表面に鏨を使って彫り、いろいろな模様を表現する。
V字型の刃先で線を彫る基本の毛彫り、三角形の刃先で連続する細い線を彫る蹴り彫り、鏨の刃先をさらに鋭くして彫る削り彫りなどがある。
象嵌(ぞうがん)
金属の表面に模様を彫り、別の金属を嵌め込んで、それぞれの金属の色や質感の違いによって模様を表現する。
彫った線に金属を嵌める線象嵌、模様が表面からでっぱらないように嵌めた金属を平らにする平象嵌、表面より高く嵌めこんで模様に高さををつける高肉象嵌、布目に彫った部分に金属箔を嵌める布目象嵌等いろいろな技法がある。
布目象嵌とは、地金となる金属に鏨を使い縦横の細い溝を彫り、その溝に薄い金や銀、鉛などを嵌め込む技法。縦横の細い溝が布の織り目のように見えることが布目象嵌の名前の由来とされる。
打ち出し
金属の板を色々な鏨を使って、表裏の両面から何回も打つことによって立体的な形を作る。できあがった形はもり上がりが高いものとブローチや着物の帯どめ金具のような低いものがある。
金属に形の輪郭を写す
あたためながら鏨を使って形を作っていく
できあがった形の部分を切り取りる
表面を研ぎ、模様を象嵌した後色をつけて完成
*上記の情報は以下のリンクからまとめています。
鋳金なり鍛金なりで成型したその表面に模様を描いたり、そこに色の異なる金属を嵌め込んだりして繊細かつ滑らかな表現が魅力な彫金。硬い金属を彫ることも彫った隙間に金属を嵌め込んでいくこともやり直しが効かない高い技術が必要で、その地金と重ねた金属との境目を綺麗に埋めて一体化させていく技術は繊細そのもの。
硬いもので繊細な技術により柔らかそうなに仕上げるという相反する統一感が金工の魅力ということだろう。
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い一日を。
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