見出し画像

陶磁器15:日本の焼き物(福井県:越前焼)

おはようございます。
今日はどんよりとした雨空で朝から強く降ったりぱらついたりを繰り返している。今日一日は都内も雨がかなり多くなりそう。ひどく遅い台風10号も風速25m以上の暴風域が衰え始めたようなので、早く温帯低気圧になってもらいたいところ。

さて、日本各地の焼き物の名産地をピックアップしたところで、具体的に1つずつ見ていこう。
6回目の今日は、北陸の石川県久谷焼から南下して福井の越前焼

越前焼(炻器)

越前焼は、福井県丹生郡(にゅうぐん)越前町で作られている陶磁器。日本六古窯の一つに数えられ、古い歴史を持っている。
日本六古窯とは、平安時代から鎌倉時代に始まり、現在まで生産が続けられている6つの窯のことです。越前焼のほかに、愛知県瀬戸市の瀬戸焼、愛知県常滑市の常滑焼、岡山県備前市の備前焼、滋賀県甲賀市の信楽焼、兵庫県篠山市の丹波焼が名を連ねる。中国大陸などから渡来した技術によって始まった他の焼き物とは区別されており、生粋の日本の焼き物の産地を指している。
越前焼の特徴は、釉薬を使わずに焼かれていること。絵付けもされないことが多く、素朴な風合いが楽しめる。高温で焼かれる際に薪の灰がかかり、溶けて器に流れ込む自然釉も魅力の一つ。陶器と磁器の中間的な存在である炻器で、焼締めや半磁器とも呼ばれる。
飽きのこない茶褐色で良く焼き締まった器は水を通さず丈夫なため、壺や甕、酒器や茶器など日常生活で使う製品を中心に製作されている。

歴史

越前焼の歴史は古く、今から約850年前の平安時代末期に遡る。現在は新しくさまざまな技法を用いた作品もある中で、基本的には昔ながらの素朴な器が中心になっている。
水や穀物を保存するための甕、酒や油などを貯蔵する徳利、すり鉢など、台所用具が長年に渡って作られてきた。
室町時代後期になると、北前船によって北は北海道から南は鳥取県まで輸送され始め(北前船とは北海道から日本海を南に向かい瀬戸内海を通って大阪へ商品を運んでいた船のこと)、越前焼は広く普及し、発展していく。しかし明治時代に入ると、日本全体が近代化され、甕や壺などの需要が激減。他の古窯は江戸時代以降、茶器などの高級品も焼き始めましたが、越前焼は一貫して雑器を製作していたため、衰退の一途を辿る。ようやく第2次世界大戦後に古窯跡調査が行なわれたことをきっかけに、越前焼の歴史的価値が見直され、1970年(昭和45年)に越前陶芸村が建設されると窯元が急増し、大勢の観光客も訪れて越前焼は復興を遂げた。

地理

東西に長い福井県にあって、福井市の南に位置する越前市ではなく、その二つの中間地点、鯖江を西に行った山間部、福井県丹生郡越前町で作成されている越前焼。日本海に出るにも山を越える必要があるというような立地。
ただ、そこをさらに南に下れば敦賀があり、その南には琵琶湖がある。このため、平安京のある京都からのアクセスもよく(とはいえこの山間部に良い土が取れることを見つけたと思うけれど)生産と需要がうまく結びついた結果、日本六古窯として現代に繋がっていると言えるだろう。

作り方

  1. 底作り 越前焼を製作するためには、まずは採土が必要です。これは土をとることで、主に「赤べと」「青ねば」「太古土(たこど)」というこの地域特有の土を混ぜ合わせて陶器用の粘土を作る。不純物を除去して、土を均一の粒子にするための、もうお馴染みとなった水簸を行う。その後、土をしばらく寝かせて成形が可能になるように粘り気を出した後、菊練り。
    土ができたらいよいよ成形となるが、器の形によって成形の方法は異なる。角形や複雑な形の器は、石膏で作った型の中に泥漿(でいしょう、粘土と水を混ぜたもの)を流し込む方法が使われる。円形の器はろくろで製作し、木の台を置き、その上に器の底になる土をしっかりと固定して底土を作ります。

  2. ねじ立て 5~10cmの太さで、長さが40cmほどのひも状のより土を右手で持ち、ねじりながら底土に巻きつけていく。左手は右手がより土を巻きつけていく力を支えると同時に、巻きつけられたより土の高さを一定にならす。2段目以降もこの1段目と同じ動作を繰り返す。このように、ひも状の粘土をねじりながら何段も積み上げていく方法が輪積み成形と呼ばれるものになる。

  3. はがたな伸ばし 円筒状に粘土を積み上げたあと、はがたなという鏝(こて)で表面をならす。外側にできた継ぎ目をはがたなで上から下にこすりながら粘土の周囲をまわる。そして内側の側面を扇形に広げながら伸ばしていく。

  4. 乾燥させ、2、3を繰り返す 器の下の部分ができたところで乾燥させて、上の部分の重みに耐えられる状態にする。その後、ふたたびねじ立てとはがたな伸ばしを繰り返して、全体を完成させていく。

  5. 口づくり 器の口をつくる。水で濡らした木綿の布をかぶせて、両手で押さえるようにしながら土を伸ばして、口の部分を仕上げていく。指の使い方によって、さまざまな口の形を作ることが可能。
    最後に、成形された器を窯に入れて1200~1300度の高温で焼き上げて完成となる。



*上記の情報は以下のリンクからまとめています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

いいなと思ったら応援しよう!