螺鈿12:螺鈿の新たな可能性
おはようございます。
今日は朝から土砂降りで、1日中ずっとこんな感じになりそう。
螺鈿の日本における名産地を見てきたが、その中でも古くから受け継がれてきた螺鈿の技術を新たなカテゴリーで展開して新たな可能性を生み出しているユニークな生産者がいるのでご紹介したい。
京都の織物業をメインとされている民谷螺鈿がそれだ(タイトル画像に民谷螺鈿のInstagramでの写真を転用させていただいてるのでイメージを膨らませて、ぜひ実際にページで詳細を確認してもらいたい。)
螺鈿を織り込む
「貝殻を織物にできたら」。
1977年頃、この想いに捕りつかれた日本海に面する京都は丹後の織物業者、民谷勝一郎は約2年研究に没頭し、これを現実のものとした。
そもそも丹後地方は1,300年以上に渡る絹織物の伝統産地としての歴史を持ち、日本の伝統文化である着物を支えてきた。歴史と風土、先達からの伝統が貝殻と織物を出会わせこの技術を生んだ。
日本で漆の加飾として発展した螺鈿の技法と織物伝統技法(引き箔)が融合し、新しい技術が生まれた。和紙の上に 薄く板状にした貝殻を形に切って貼りつけ、これを糸状に細く裁断したものを緯糸として織り込むというもの。
結果として今までの概念を破り、柔軟性をもった素材として貝殻のもつ海の煌めきが表現されている。
丹後は、日本海に面し、日本の原風景を残す自然豊かな土地。民谷螺鈿は、その歴史的背景のなかで培われた技術と自然からのインスピレーションをもとに、絹糸、貝殻、漆、木、革などの様々な素材を組み合わせた織物を生み出し、常に新たなクリエーションを行なっている。
螺鈿の技術者ではなく、織物というそれこそ金属なども糸状にして織り込むことができる独自の発想(と螺鈿をなんとか織り込みたいという飽く無き情熱)があったからこそ、全く新しいアプローチで実現できた螺鈿を織り込んだ布地。
民谷螺鈿では、洋服やネクタイといったいわゆるテキスタイルのものだけでなく、カードケースやブレスレットなど、螺鈿を織り込んだテキスタイルとレザーを組み合わせた形で身に付けられる螺鈿を提供されている。螺鈿の新しい形がすでに具現化されている、One & Onlyな特別な技術と言えるだろう。
*上記の情報は以下のリンクからまとめています。
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い週末を。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?